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  Column 「星の陵にて」 2008

手ぶれ補正     (2008/05/24)


▼今のデジタル一眼では「手ぶれ補正」は当たり前になりつつあるが、その方式は「レンズ内補正」のキャノン・ニコン・パナソニック・フジと、「ボディ内補正」のソニー・オリンパス・ペンタックスとなっている。

▼「レンズ内補正」のよい所は、それぞれのレンズの特性に合わせて補正装置が設計できることと、ファインダー像に手ぶれ補正の効果が反映されることである。一方、「ボディ内補正」のイイ所は、どんなレンズを使おうが補正効果が得られる点であるが、ファインダーからはその効果が確認できないという欠点もある。
 結局、両者の方式は「一長一短」なのであるが、望遠系ではファインダー像が安定していた方が安心できることを考えると「レンズ内補正」がよいと思うし、一方、短めの単焦点レンズにレンズ内補正のラインナップが(どのメーカーにも)ないことを考えると、広角系では「ボディ内補正」がよいということになるのかも知れない。

▼私は、キャノンのEOSシリーズとソニーのα700を使っているが、望遠の場合は、「レンズ内補正」でファインダー像が安定するEOSの方が圧倒的に使いやすいし頼りになる。一方、キャノンのマクロレンズ(及びキャノンマウントの他社製レンズ)には、手ぶれ補正機能がついているものがないため、マクロレンズを使用する際は、αを使いたくなる。
 もちろん、花などを撮影する際には、三脚を使うし、ライブビューが使えるEOSの方が圧倒的に楽しいのだが、例えばレストランに食事に行く時などのお供としては、αを選ぶことがほとんどである。というのも、レストランに行く時は、50mmクラスのマクロレンズをつけていくわけだが、それに相当するキャノンの「EF-S60mmMACRO」には、手ぶれ補正がないからである。 
 EOSは高感度撮影に強いので、ISO感度を上げてシャッタースピードをかせぐという手もあるが、食材を撮影するからには、やはりあまりISO感度を高くはしたくない。そうなると、多少高感度撮影に弱いとはいっても、2~3段分の手ぶれ補正が効くαの方が安心ということになるのである。(レストランでフラッシュをたくなどということはあり得ないし…)

▼以前にも書いたように、αの純正マクロレンズは、50mmも100mmもなかなか素晴らしい。出費を減らすためにも、なんとかキャノンマウントだけに絞りたいとは思っているのだが、やはりマクロレンズ(及びカール・ツアィスレンズ)の魅力と、ボディ内手ぶれ補正という強い味方によって、αの世界から足が洗えそうもないのである。