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デュオフォールド




筆記具の話

パーカー「デュオフォールド」

 筆記具とは言っても、今、文書作成はほとんどワープロで行うので、登場する機会はグット減っている。それでも、カバンの中には、モンブランの三本差しペンケースの中に、パーカーのデュオ・フォールド三本を常に携帯している。

 このパーカーのデュオ・フォールド、私が現在最も気に入っている万年筆である。ペン先の腰の固さといい、インクフローのぬらぬら感といい、今のところ右にでるものがない。「青」「綠」「赤」のボディがペン先「F」で、「黄」ボディがペン先「EF」、さらに、小型のバージョンを一本と、合計5本も持っている。
 ペンケースに入れて携帯する3本というのは、ボディの色と同じ「青」「赤」「綠」インク用である。「青」が日常使用、「綠」はそれに注釈やアイディアを加えたりする場合、そして、「赤」は校正・添削用である。国語の教員をやっていると、結構3色が必要になったりするのである。ペン先は、メモや校正が主なので、細かい字が書きやすい「F」が基本である。
 ちなみに、上・下の写真では「赤」ではなくて「黄色」のボディが写っているが、実は今愛用しているモンブラン製赤インク「SAKURA」(香りのするインクである)のフローが良すぎるため、赤ペン用の「赤」ボディのペン先「F」だと、にじみがひどくなってしまうのである。そこで、ペン先「EF」のモデルを買い足し、その際、色違いの黄色ボディにしたというわけである。
 なお、インクは一種の化学薬品なので、使っている万年筆に入れるインクの色を変えたり、同じ色でもメーカーを変えたりした場合のメンテナスは、それなりに気(と時間)を使う作業となる。このあたりは、万年筆とつき合う上でのハードルといえるだろう。
3本組(常用3本衆)

 さて、万年筆を日常で使う場面は、例えば大学での学生への出欠サイン。体育会系の運動部に所属している諸君は、講義ごとに運動部共通の出席簿に出席のサインを求めてくる。その際、おもむろにカバンから筆入れを出し、おもむろにジッパーを開き、三本の万年筆を見せびらかしながら一本を選び、丁寧にキャップをはずしてサインして差し上げるわけである。まあ、はっきり言えばカッコつけてるわけである。ははは…。
 あとは、考えをまとめたりする際のメモ書きに、青と緑を使うことが多い。
 ワープロ原稿の校正にも活躍する。ワープロを活用なさっている方には分かっていただけると思うが、書き上がった原稿をパソコンの画面上で確認しただけでは、どういうわけか見落としが出てしまうのである。そこで、紙に打ち出したものを使って校正することが必要になる。その際に、「赤ペン」が活躍するわけである。
 もちろん、試験の採点や、小論文・記述式問題の添削にも使ったりする。 

気に入った万年筆

 初めて意識的に買った万年筆は、ペリカンのM600。東武デパートの文具売り場で手に入れたが、M800を買いに行ったところ、試し書きをしている私のペンの握り方を見た店員さんが、「お客様には、こちらの方がバランス的にも書き味的にも合っている思いますよ」と勧めてくれたのである。グリーンのボディを購入したが、気に入って、その後、ブルーのボディ、レッドのボディと合計3本購入した。3本購入する理由は前期の通りで、インクをその場で入れ替えながら…という訳にはいかないところが、万年筆の短所ではある。
 結局欲しかったM800も後日買ってみたが、ちょっとペンの腰が柔らかすぎて、机の奥にしまい込まれている。(なお、このM800は、ボディとは別にペン先だけが別売されていて、自分で「F」とか「M」とか「B」とかに替えて楽しむことができる。)
 次に、「せっかくだから」?ということで、モンブランに手を出した。149は4本買った。上記の3色用と、書き味を味わいたいくて、中字(「M」)も一本買い足したのである。このモデルは、太いボディが安定しており、ペン先の腰も私にはぴったりで、かなり愛用した。ただし、紙質によってはちょっと引っかかりを感じるのと、ぬらぬら感が今一つという点が気になっていた。

 そして、この両者を解決してくれたのが、パーカーという訳である。ハデ目なチェックのボディデザインも気に入っている。

パーカー「インジェニュイティ(ingenuity)」

 さて、そのパーカーから、万年筆→ペンシル→油性ボールペン→水性ボールペン(ペンシルではなくフェルトペンが入るという説もある…)に続く第五の筆記具、「インジェニュイティ(ingenuity=巧妙な発明(品)の意)」が発売になった。一般的な店舗での発売は12月からだが、いくつかの店舗では先行販売しており、新宿の高島屋タイムズスクエアの文具コーナーで手にすることができるということで、先日早速出かけてみた。
DSC03317.jpg(革製ペンケース付き)

 で、書き味はどうかというと、まあ、フローのよい水性ボールペンといったところで、大きな期待をすると肩すかしを食うことになるだろう。ただ、インクが速乾性であることや、キャップを数時間はずしたままにしていても、その後の書き出しでフローが停滞することがない、飛行機に乗っても安心、といった特色があり、ボディのデザインがカッコイイこともあって、ついつい購入してしまった(本日入荷。20000円也)。
DSC03301.jpg(モダンなボディ)
DSC03302.jpg(万年筆風のペン先)

 万年筆の場合、三色使いたければ3本持ち歩くことが必要になるが、これはリフィルを交換すればイイだけなので、ボディ一本あれば、3本の細いリフィルを携帯し、それを入れ替えて使いこなすことが可能になるというのも魅力である。
DSC03316.JPG(青・黒、MとFのリフィル)
DSC03347.jpg(青のMはこんな感じ)
DSC03358.jpg(リフィルを外したペン先)

 とはいっても、現在「青」と「黒」のそれぞれ細字・中字のリフィルしか発売になっていない。早く「赤」が出てくれることを期待したい。速乾性なので、縦書きの添削時には大いに役立ってくれるに違いないからである。なお、リフィルは一本1000円也。どれくらい持つのかは不明だが、お店の人によると、「水性なので、結構なくなりますね」とのこと。さて、どうなることやら…。
DSC03321.jpg(このデコボコがグー)

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