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E-M5 と D800E

 7月下旬に上高地に出かけた。その時に持参したカメラは、
 ▼オリンパス E-M5
          M.ZUIKO 12-50mm & M.ZUIKO 14-150mm
 ▼オリンパス E-P3
          M.ZUIKO 9-18mm
 ▼ニコン D800E
          AF-S 16-35mm VR & AF-S 24-120mm VR
である。
 8月の下旬にイタリア旅行を予定しており、その際、なるべく荷物を減らしたい…とはいってもイイ写真も撮りたい…ということで、持参するカメラとしては、オリンパスの2台を考えているのだが、これらのカメラの旅行中に於ける使い勝手を確かめたいというのが、今回のカメラ選択の理由である。
 同時に、6月に手に入れたD800Eの「36.3メガピクセル」の破壊力を試してみたいということもあって、重いのは覚悟でこちらも持参することにした。36.3メガピクセルを生かすには、高倍率ズームというわけにはいかず、マニュアルでも推薦されている、VRかつナノクリコートの2本がおともである。

機械として

 さて、実際に使ってみてどうだったのかというと、初日は、手に
  D800E + AF-S 16-35mm VR
を持ち、首から
  E-M5 + M.ZUIKO 14-150mm
をぶら下げるというスタイルで臨んだが、結局、望遠側はそんなに必要としないということと、カメラの使い勝手を考えて、残りの2日間は、手に
  D800E + AF-S 24-120mm VR
を持ち、首から
  E-M5 + M.ZUIKO 9-18mm
をぶら下げるといった組み合わせになった。(E-P3は使わなかった。)

 D800E は重いのだが、やはり手に持って構えた時の感覚、ファインダーの見え、いざというときの設定の変えやすさといった点で、圧倒的にE-M5を上回っている。つまり、比べてしまうと、安心して撮影できるカメラなのである。しかも、24-120mmがちょうどよい画角といった感じで、ナノクリ+VRであることを考えると、もうこれで充分といった感じである。だから、ついついD800Eの方を構えてしまうのである。
D800E

 E-M5の方は、手に持つには軽くてイイのだが、指がひっかかるところがないせいか、実は移動の際には安心して持っていられない印象(だから、首からぶら下げることになる)。また、EVFの中では秀逸と思われるファインダーも、D800Eのファインダーと比べてしまうとガッカリといったレベルだし、小さなボディに配置されたボタン類に無意識に触ってしまうこともあるらしく、設定が勝手に変わっていたりすることがたびたびあった。しかも、変わったことに気づいて修正しようとすると、ボタンが小さなせいか、違うボタンを押したり、違う方向に押したりと、誤動作を連続させてしまうことも多く、これまたイライラの原因となった。バッテリーの持ちが悪いのもマイナス点。ほぼ同じような使い方で、D800Eは2日間バッテリー交換なしで大丈夫だったのに、E-M5は3/4日くらいで交換する必要があった。液晶表示はオフ、省電力設定もかなり高いレベルに設定してあるにもかかわらずである…。全体的な動作、特に画像表示に関して「まったり」しているのも、D800Eと比べると気になる感じであった。ただ、雄大な風景を前にすると、どうしても24mmを越える画角で撮りたくなることもあって、たまに撮る広角側の専用機にしたというわけである。
 なお、歩きながら動画を撮ってみたのだが、5軸手ブレ補正を搭載しているせいか、NHKの「世界街歩き」風に撮れないこともなく、バリアングル液晶の便利さもあって、この点についてはかなりグ~!である。
E-M5

撮れた画像

 さて、上述のペアで3日間撮影したのだが、では、その画像はどうだったのか? 

 結論を言うと、D800Eは「私レベルの人間がいい加減に使うことのできるカメラではない」といったところである。写真誌やネットなどでも触れられているとおり、このカメラはRAWで撮影して、それをきっちり現像した時に真価が発揮されるようである。私のように jpeg の撮って出しでは、充分にその性能を味わうことはできないようだ(もちろん、画像そのものは美しいのだが…)。 むしろ、高画素化に伴って、小さな手ブレが気になる画像が多く、自分のテクニックのなさを自覚させられるとともに、写真の楽しみ方に対する意識改革を迫られる、つまり、一枚一枚を丁寧に撮り、しかも時間をかけて現像して作品を作り込むといった楽しみ方をする方々のためのマシンであるとの印象を持った。

 一方、E-M5の方はというと、jpeg の撮って出し画像がとてもキレイに仕上がってくる。画像コントロールは「ヴィヴィッド」指定ではなく、「ナチュラル」にしてあるが、特に、山の写真だったこともあり、オリンパス・ブルーといわれる鮮明な青色が、夏の空の色としてとても気持ちよく出力されてくるのである。また、木々やコケなどの緑色の発色や、湖面や川の流れといった水の描写も秀逸である。高感度耐性も、いぜん人の肌で気になる気がしたが、今回はISO1600くらいまでなら、まったく気にならない印象を持った。つまり、出てくる画像に関しては、私レベルでは「文句なし」なのである。
ブルー
グリーン

イタリアのおともカメラ

 ということで、今回の経験を踏まえ、イタリア旅行には、
  E-P3 with M.ZUIKO 9-18mm
  E-M5 with M.ZUIKO 12-50mm
のペアを基本に、交換レンズとして M.ZUIKO 14-150mm を持参することになりそうである。
 主として街歩きが中心になるので、望遠側が必要になることはそんなにはないだろうし、一方、狭い路地を大きく撮りたいと思う場面は出てきそうなので、それに備えた広角側を充実させると、上のような組み合わせになるのである。もちろん、動画を撮ってみたいという思いもある。

 機械としてのD800Eは本当に素晴らしい。それを生かせるようになりたいと思うが、今の自分の実力(+体力)を考えると、これがベストな組み合わせといえそうだ。

*このコラムで使った画像は、(E-M5を撮ったもの以外)全て E-M5 で撮影。

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2013-03-16

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