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education-01
高等学校教科書に関する文科省の検定結果を受け…
…3月28日の朝刊各紙には、特色のある教科書を紹介する記事が掲載されていた。生徒たちの興味・関心を高める工夫は必要だが、使いやすく、生徒たちの考える力を伸ばす教科書とはどういうものなのだろう。古典の教科書に関する私の考えを述べてみたい。
education-02
明治大学 国語科教育法 第1回
明治大学で国語科教育法の講義を担当しています…
…その講義の終わりに、毎回簡単な感想をまとめさせています。第1回目の講義では、自己紹介をかねて、例年『羅生門』の模擬授業を行っています。今回も25名の学生たちに、①高校生になったつもりで発問に答えたりノートをとったりして授業を受けること ②教育実習に行く大学生として授業を受けること(教員=私がどんな工夫をして授業をしているか考えること) という課題のもと、50分の模擬授業を行いました。その感想です。
education-03
明治大学 国語科教育法 第2回
第2回は…
…古典の授業例ということで、『徒然草』第52段の模擬授業を行いました。前回同様、①高校生になったつもりで発問に答えたりノートをとったりして授業を受けること ②教育実習に行く大学生として授業を受けること(教員=私がどんな工夫をして授業をしているか考えること) という課題のもと、50分の模擬授業を行いました。
今回の感想では、最初に「授業には(授業では)「・・・・・」が大切である。」という形で、2週間にわたる模擬授業の中で感じたことをまとめてもらっています。なお、今回からは、後期にグループで模擬授業をやってもらうことも考慮して、その感想を書いた学生の名前も掲載しています(ここでは●●と表示してあります)。
education-04
明治大学 国語科教育法 第3回
今回のテーマは「教材研究」…
…というのも、二つの模擬授業を通して私が伝えたかったことは、「教材研究」の重要さだからです。「教員になったら部活指導をしてみたい」「行事が好きで生徒といっしょにがんばりたい」と、色々なタイプの学生がいますが、教員になる以上、その根本にあるのは教科を指導する力だと私は思います。
作家論・作品論だけを教材研究と考える学生が多いので、それだけではなく、自分の研究した結果を「どう伝えるか」という、「指導過程の研究」こそが重要だということを伝えることに主眼を置いて講義をしています。
「テーマ集」というのは、「この講義で一番勉強になったと思うことを、新聞の見出し風に簡潔に表現してみなさい」という指示のもとで書かせているものです。私の講義の意図がうまく伝わったかを確認するのに役立っています。
education-05
明治大学 国語科教育法 第4回
今回のテーマは「国語科教育の今日的課題」…
…です。先ず、基本的知識として、「国語教育と国語科教育」、「国語科教育と日本語教育」の違いについて考えさせました。その過程で、上田万年から始まる「国語」という語の持つイデオロギー性についてもごく簡単にふれています。
その後、テキストとして用いている『新しい時代を拓く 中学校・高等学校国語科教育研究』(全国大学国語教育学会編、学芸図書)を使って、現代の国語教育の課題について考えました。テキストの中では、PISAのことやメディア・リテラシーに関する話題も触れられています。
学生の感想の中に「本音」と「タテマエ」という語が出てきますが、昔から言われている国語教育の課題について「タテマエ」、現代になって登場した新たな課題を「本音」と、ついその場の思いつきで表現してしまったため、学生には誤解を与えた部分もあるようです。次回の講義で訂正したいと思います。(*学生たちのこの感想は、私の反省材料としても役立っています。)
education-06
明治大学 国語科教育法 第5回
今回のテーマは「国語科教育関連法規」…
…です。日本国憲法、教育基本法、学校教育法、学校教育法施行規則、そして、学習指導要領について、それぞれの関係を意識させるとともに、大切な条文をいくつか読みながら紹介しました。教育基本法・学校教育法については、平成18・19年の「改正」についても触れています。教育基本法の第1条(教育の目的)は、よく教員採用試験にも出題されるので、(退屈な法令講義の)気分転換もかね、その場で暗記するということにも挑戦。最後に、学習指導要領の中には、「A 話すこと・聞くこと」「B 書くこと」の指導時間までが具体的に記されていることを紹介し、自分たちの受けてきた授業を振り返らせながら、学習指導要領の現状について解説しました。
education-07
明治大学 国語科教育法 第6回
今回は特別講座ということで…
…この講座から東京都の教員採用試験に合格した学生…というか、今や私の同僚ですが(笑)、若い3人の新米教員を招いて、教員採用試験に向けての具体的な勉強法や、実際にどんな試験が行われたかなどについて講演してもらいました。一人、約束の時間に間に合わなかった先生がいたのですが、それは特別指導の学年会が急に入ったからということで、その特別指導のことなどについても(可能な範囲で)報告してもらいました。「生の声」「現場の声」といった感想が見られるのは、その話に触れてのことだと思います。
学生たちも熱心に聞き、真剣に採用試験に取り組もうと考えている学生にとっては、イイ刺激になったのではないかと思います。
education-08
明治大学 国語科教育法 第7回
今日のテーマは「年間指導計画」…
…この講座では、とりあえず「やってみる」というのが基本で、今日は「年間指導計画」を立ててみるということに挑戦させてみました。教育出版の「国語総合」の教科書を題材にして、(1)「自分の出身校の高校1年生」 (2)「現代文週2単位=週2時間」 (3)「年間50~60単位時間=年間8~9教材をこなす」という条件のもと、一年間の現代文の指導計画を立てるというのが課題です。記入する用紙には、行事などがあらかじめ配置されており、それも踏まえながら計画を立ててもらいました。何人かの学生を指名して、どのような点に配慮し、どのような工夫をしたかを説明してもらいながら、教材の並べ方を板書し、私のコメントを加えていきました。
education-09
明治大学 国語科教育法 第8回
今日のテーマは前回に引き続き「年間指導計画」…
…前回は「とりあえず作ってみよう」というスタンスでチャレンジさせたが、その過程で(1)目の前の生徒たちにふさわしい配列 (2)どんな力を養いたいかを意識した配列 (3)難易度を考慮した配列 (4)ジャンルを意識した配列 (5)定期考査を意識した配列 (6)季節・行事との関連を意識した配列 といった点に気づかせました。今回は、更に学習指導要領の「話すこと・聞くこと」「書くこと」の言語活動例を紹介して、それも踏まえることを念頭に置かせました。また、何か自分なりの工夫すること、特に、教科書以外の教材も視野に入れてよいことを伝えて作らせてみました。イプセンの「人形の家」や、井上ひさしの「父と暮らせば」などを採り入れた学生もいました。何人かに工夫したポイントを発表させた上で、表現教材に関しては、どのような授業の「まとめ」をし、どのような「評価の観点」を持つのかを考えることも重要であると伝えました。
なお、後期には模擬授業を予定しており、その際、教材としてこの教科書を使います。前回と今回は、年間計画を立てさせると同時に、教科書全体に目を通させるということも一つの狙いにしています。
education-10
明治大学 国語科教育法 第9回
今日のテーマは「学習指導目標」をつくる…
…いつも通り「習うより慣れろ」?ということで、「①自分の出身校の高校1年生を対象に ②最初の小説教材として ③「羅生門」を扱う」という前提のもと、(1)先ずどんな授業をしてみたいか、その構想を簡単にメモする (2)その上で、その授業の学習指導目標を2~3つ考えてみる という課題を出しました。事前に見本などは見せていませんから、とりあえず自分で考えて作って見ようということです。その後、数名の学生を指名しながら考えたものを発表してもらい、それにコメントを付け加える形で講義をしてみました。ポイントは、その目標の主語は誰なのか?(「生徒たちが」なら学習目標、「先生が生徒たちに」なら指導目標)、また、主語と対応させならが文末は揃っているのかといった点です。学習指導案には形式がありますから、その形式にあった形で作成することの大切さも伝えています。最後に、私がつくったものを一つの例として示しました。
なお、感想の中に「酒」の話が出てきますが、講義の最初15分程度を使って行っている自己PRの際、「飲むのが好きです」と話した学生がおり、それに対する反応です。この自己PRも、毎回楽しみにしています。
education-11
明治大学 国語科教育法 第10回
今回はいよいよ「学習指導案」について…
…実際に教育実習を行った学生の学習指導案を例示しながら、すぐれた点や改善すべき点について解説しました。自分の授業の台本的な役割を果たす(それ故、発問例や板書例も入れるように指導しています)とともに、見学者(評価者)が授業を評価する際の資料でもある点を強調し、いつ・どこででも通用する「形式」を備えている必要があることを伝えています。しかし、それは逆言えば、ワープロが活用できる現在においては、主要項目をあらかじめ作成しておくことが可能でもあるわけで、学生諸君には、ワープロで自分なりのひな形を事前に作成するよう勧めています。
education-12
久しぶりに宮沢賢治の詩を授業で扱いました…
…で、その授業の様子を再現してみました。第1時間目は、この詩の鑑賞に欠かせない賢治とトシという兄妹に関する背景知識の簡単な紹介と、詩の全体を見渡してみることを目標として学習指導を展開してみました。
education-13
宮沢賢治の「永訣の朝」2時間目…
…1時間目に続き、詩の中に登場する印象的なとし子のことば、「(あめゆじゆとてちてけんじや)」と「(Ora Orade Shitori egumo)」について考察する授業のLIVEです。
education-14
宮沢賢治の「永訣の朝」3時間目…
…最後の時間です。とし子のことば、「(うまれでくるたて/こんどはこたにわりやのごとばかりで/くるしまなあよにうまれてくる)」について考察し、全体をまとめる授業のLIVEです。
education-15
明治大学 国語科教育法 第11回
今回は「学習指導案」の作成です…
…大学が用意ししている「学習指導案」のフォーマットを活用して、実際に学習指導案を書いてみようというのが今回の趣旨。ただ、例年どの教材を使うかで困っていて、羅生門にしてみたり、谷川俊太郎の詩にしてみたり、手紙を書くという表現教材にしてみたりと色々工夫しているのだが、どの教材にしても、結局学生たちの教材研究が充分に出来ていないために、十分な活動ができないで終わってしまうという状態になっていたのである。
そこで、今回は、この education-1 に載せた「永訣の朝」の授業例を使って、それを指導案にしてみるという演習にしてみた。学習指導案の「どこに」「どんなことを書くのか」といったことを経験してもらうことが第一義なので、授業そのものを与えた上で、それを学習指導案という形に表現してみるという「逆転の発想」?に挑戦してみたわけである。
で、結論を言えば、セカンドベスト的な方法ではあるが、よかったのではないかと思っている。
education-16
明治大学 国語科教育法 第12回
今日は前期の最終回…
…で、まとめレポート(「私の提案教材」ということで、高校1年生向けの教材を、その提案理由・学習指導目標とともに、自由に提案してもらうというもの)を提出してもらい、後期に向けての連絡をするだけの日である(約30分強で終了)。そこで、いつもの「講義出席票」のタイトル欄は、「前期の講義全体にタイトルをつける」ということで書いてもらい、また、感想・質問欄には、前期の講義全体の感想を記してもらった。
education-17
雑誌「進路指導」(財団法人進路指導協会)2012年秋季号に…
…わけあって上記タイトルの論考を掲載させていただいた。ただし、タイトルに正対するものとはなっておらず、むしろ国語教育に関する論になっているので、ここに掲載してみたい。
education-18
1月30日、東京学芸大学の国語国文学会例会で講演した内容を…
…『学芸国語国文学』の彙報用に学生さんが文章化してくれました。1時間の講演をA4版2枚にまとめたものなので、かなり内容が凝縮されていますが、私の言いたかったことを踏まえたコンパクトなものに仕上がっています。そこで、その文章に加筆する形で、当日の講演の内容を再現してみたいと思います。