X-E2

カメラの話をしよう

 久しぶりにカメラについて書いてみよう。

 今、手元にあるレンズ交換式カメラは、
 ●キャノン   1DX 1DMk4 5DMk3 7D
 ●ニコン    D3S D800E D300S
 ●オリンパス  Pen-5 EM-5 EM-1
 ●フジ     X-E2
である。(こうやって書くと、自分でも呆れないわけではない…笑)

ニコン

D3S
 この中でニコンはほとんど使わなくなった。
 そもそもニコンを買ったのは、2008年にイギリス旅行に出かけた際、フルサイズ機のキヤノン5D後継機が出ないのに業を煮やして、ニコンのフルサイズ機D700に手を出したのが最初である。しかし、私はこのD700をすっかり気に入ってしまった。機械としての出来が素晴らしく、特にシャッターのフィーリングが最高だったからである。シャッターフィーリングがイイからといってイイ写真が撮れるわけではまったくないが、私のように趣味で写真を撮っている者にとっては、気持ちよく写真が撮れるということは重要な要素であり、シャッターフィーリングはその第一の要素なのである。黄色がかって見える、しかも視野率100パーセントでないと評されたファインダーも、私にとっては初めてのフルサイズ機ということで、その大きくて見やすい世界に魅了された。大柄なボディも、逆に手にフィットする感じで、一言で言えば、撮影が楽しくなるカメラだったのである。
 それにつられてニコン機に手を出したが、結局、ニコンD3Sはキヤノン1DXに及ばず、ニコンD800Eはキヤノン5DMk3ほどオールマイティーではない。その結果、現在ではほとんど持ち出さなくなってしまっている。ただ、大好きなSIGMA50mmF1.4というレンズがニコンマウント用なので、それぞれのボディは大切に残してある。
 ニコンは最近、Dfというカメラを発売した。これは、フィルム時代のカメラと同じような操作感にこだわったカメラだということであるが、意地悪な見方をすれば、技術的なブレークスルーが見込めず、ミラーレスに押され気味な現状を、古いニッコール・レンズが使えるという点と、昔ながらの手触りといった面から、顧客の確保を目指しただけのカメラといえなくもない。もちろん、シャッターフィーリング同様、カメラ好きには操作感も大切だと思うが、フィルム時代を経験していない私にとっては、特に魅力的な存在とはうつらない。

キヤノン

1DX
 キヤノン1DXは、主として孫撮り、つまり動き物の撮影に使う。これ以上早くて正確なフォーカスのカメラはないからである。もちろん、フラッグシップ機だから、ホワイトバランスなども正確だし、高い信頼性も備えている。
 私のように腕のない人間が決定的瞬間をものにしようとすると、カメラのオートフォーカスに頼らざるをえない。そして、たくさん撮った中に、何枚かイイ写真があることを期待するわけだが、そのイイ写真の割合が、性能のイイカメラを使うと劇的にアップすることをこのカメラを通して体験した。今まで使ってきたどのカメラとも、明らかに次元が異なるカメラだといってイイと思う。
 かつて、各メーカーのフラッグシップ機と普及機では、出てくる絵自体にはそれほど大きな差はなく、主として連射速度とか、防滴・防塵性能などの信頼面に差があるだけだから、カメラ本体にお金をかけるよりも、レンズにお金をかけた方がよいと考えていた。これは、ある意味正しいことであるとは思うが、「動き回る孫の決定的瞬間を残す」という目的が明確になってからは、カメラそのものの性能もやはり大切であると思うようになった。
 ちなみに、価格.comの各カメラのコーナーなどに、「被写体は子供ですが、どんなカメラ・レンズがイイですか?」といった質問が掲載されることがある。今の私なら、迷わず各会社のフラッグシップをゲットすること勧めるだろう。たかが子どもを撮るだけではあるが、腕がなくて資金がなんとかなるなら、かけがえのない瞬間を残すために、これ以上の選択肢はないというのが正直な感想である。どんどん成長していってしまう子どもの何ものにも替え難い一瞬を撮ることに夢中になっていれば、重いことなどは一切気にならないだろうし、たまに大きなカメラの後ろから顔をだして、「いない、いない、ば~」をすれば子どもも大喜びに違いない。(ただし、運動会などで、でかいカメラをぶら下げて、出しゃばった態度で周囲に迷惑をかけることのないように注意したいものである…)

 5DMk3は、お出かけ先で孫写真を撮る時用である。1DXでは大げさすぎる外出先で、ほぼ同じレベルの性能で撮影が可能となる。また、荷物の心配の少ない国内旅行の際にも持参する。
 1DMk4と7Dは鳥撮り用だが、ここのところあまり鳥撮りに行かなくなってしまったので登場機会が激減していたが、最近またカワセミが石神井公園に姿を現わすようになったので、今後は活躍の機会が再び増えるかも知れない。

オリンパス

OLYMPUS
 オリンパスは海外/遠方の国内旅行の時に持参する「旅カメラ」である。
 マイクロフォーサーズ規格のミラーレスということで、ボデイが小さいし、それ以上に交換レンズが小さいというのが大きなアドバンテージである。広角ズーム、標準ズームの2本を基本として、明るい単焦点やマクロ、高倍率ズームなどを持参することができる。しかも、どのレンズもその性能の高さに折り紙付きである。明るい空の下でのjpeg撮って出しの色合いも派手めで美しく、オートフォーカス性能や高感度性能も向上しており、積極的に動き物(つまり、孫や鳥…)を狙うのでなければ、最高のパートナーといえると思う。繰り返すが、ボディのみでなく、レンズも小さいということは、旅行においては大きなアドバンテージとなるのである。さらに、オリンパス独自のアートフィルターも私の好みである。(ただし、人の肌の色は今ひとつのような気もするが…)
 オリンパスの機種の中では、Pen-5はほとんど使用しなくなってしまった。というのも、ファインダーが外付けだからである。私は液晶画面で撮るのはあまり好きではなく、ファンダーを覗きながら撮影したい方なので、オプションでよいファインダーが用意されている(持っている)とはいっても、わざわざ外付けするのが面倒であるし、外付けするとコンパクトさが犠牲になってしまうところが気になるのである。 
 一方、EM-1とEM-5にはよく出来たEVF(エレクトリック・ビュー・ファインダー)が搭載されており、今後はこの2台が旅のお伴ということになりそうだ……と思っていたら……

フジ

X-E2
 今年、素晴らしいカメラに出会ってしまった。それが、富士フィルムのXシリーズである。
 どこがどう素晴らしいのかと言われてもうまく説明できないのだが、とにかくjpeg画像の色や空気感の素晴らしさは、もうこれしかないといった感じである。(その素晴らしさは「こちら」から) 
 プロが撮ったサンプルを見て素晴らしいと思っても、腕がない人間に同じような作品が撮れるはずがない…とは分かっているのだが、手を出したくなるのが人情で、11月にとうとうボデイとしてX-E2を、レンズとしては、18-55mm、55-200mmの2本のズームレンズと、35mmF1.4(換算約50mm)の単焦点を購入してしまった。(コンデジも、キヤノンPowershot110からフジXQ1に買い替えたくてしょうがないのだが、こちらは一眼ほどの差はないと自分に言い聞かせて我慢している…)
 ところが、使ってみると、オートフォーカスが動き物にはまったく対応できないことが判明。遅いし、ちょっと暗い所だと迷いまくりで、孫の笑顔にほとんどピントが合わない。たとえ一瞬ピントが合ったと思っても、シャッターのタイムラグが大きいせいか、キヤノン機の感覚で撮影すると、撮ろうと思った表情がまったく撮れていないことになる。さらに、親指AFができない(補足2参照)ことも大きなマイナス点と感じる。
 つまり、このカメラを使っていると、いかにキヤノンの(ニコンの、オリンパスの)カメラが素晴らしい機械かを実感することになるのだが、しかし、十分の一(よく言って五分の一?)くらいの確率で撮れるピントばっちりの写真を見てみると、肌の色といい、髪の毛の感じといい、まったくもって素晴らしいとしか言いようがない。あらゆる不便を耐え忍んでも使いたくなるような魅力が、このカメラ(とレンズ)にはあるのである。

結論?

CANON
 というわけで?、当面は
  ●孫とカワセミ(つまり失敗できない動き物) =キヤノン
  ●スナップや旅行先の風景          =富士
ということになりそうである。フジはまだレンズのラインナップが揃っていないので、揃うまでの間は、オリンパスが活躍することになるのかも知れない。

補足1

X-E2
 ちなみに、フジのXシリーズを使っている写真家のブログでは、動物写真家の小原怜氏のサイト(こちら)をよく拝見させていただいている。小原氏は、奥様が作家の堀田あけみさん(『アイコ十六歳』が有名)で、アザラシの写真などを通して知っていたのだが、その当時はキヤノンを使われていた。それが、今ではすっかりフジに機材を入れ替えていらして、その意味でも注目しているのである。
 海外の写真家では、ウエディング写真家のKevin Mullins氏のサイト(こちら)が素晴らしい。この方はキヤノンも併用しているようである。興味のある方はどうぞ。

補足2

 上に、X-E2の欠点として「親指AFが出来ない」と書いたが、ボディ前面のフォーカスモード切替レバーを「M」、つまりマニュアルにすると、背面の「AF-L」ボタンを押すことでAF動作する、つまり、親指AFが出来ることを偶然発見(…というか、マニュアルを見るとちゃんと書かれているのかも知れない)。ただし、AFモードだと可能なAFエリアの大きさの調整(私は最小にしている…)ができないようである。もしかしたら出来るかも知れないので、引き続き研究したいが、価格.com のクチコミでは、「(X-E1と同様に)MF設定での親指AFのフォーカスエリアのサイズがまだ縮小できないのはちょっと残念」と書かれている。

補足3

 ちなみに、このページに使ったカメラ本体の写真は、フジの「X100」というカメラで撮った。実は、ホームページを始めた1995年当時、私は正面から見ると正方形に見えるFinePixを使っていた。結構気に入っていて、長期間使っていた記憶がある。だから、フジが新しくx100を出した時は、パララックスなるものの正体も知らず、評論家の「ファインダーがすこぶる気持ちよい!」という評価に騙されて?早速購入してみたのである。しかし、パララックスに悩まされ、動作が遅い+ボタンが小さくてタッチも悪い+配置も今イチといったことから、ほとんど使わずに防湿庫の隅に眠っていた。ところが、つい最近ファームウェアのアップデートが行われたことも有り、再び手に取って使ってみている。相変わらず使い勝手は悪いが、出てくる画像はさすがフジといった感じである。

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Last updated 2014-03-31

X-E2


FUJINON