カワヅザクラ

2014.03.25 (火) 晴れ

 東京でも桜の開花宣言があった暖かな一日。体育館での修了式+離任式の後、大掃除をして、今年最後のホームルームを行う。下の学年に教室を渡すので「しっかり掃除をするように!」と厳命したところ、すっかりキレイに仕上げて、ロッカーにも荷物一つ残すことなく清掃・片付けが終了、「やればできるじゃないか」といった感じであった(笑)。ホームルームでは、星陵祭の台本を全員に配布して配役を決め、合唱祭の曲も最終決定してパートリーダーを決める。最後に通知票を渡して一年間終了である。なお、今回から東京都標準の成績処理法と通知票を採用したため、今までの日比谷独自の通知票とは異なる形式となってしまい、指導上もちょっと違和感がある(担任に全員の成績が一覧できる資料が配付されないので、「成績特集号」のような学級通信が時間の関係から出せなかったり…)のだがまあ仕方ないか。放課後は修学旅行の調整休をいただく。11904歩。

* * *

 さて、本日をもちまして2013年版のホームページは一端終了ということにさせていただきます。ご愛顧いただきました皆さま、ありがとうございました。
 2年ごとにデザインを変更しているので、2014年版作成のため「BiND 7」というソフトウェアも購入したのですが、パソコンのハードディスク容量が足らずにインストールができないままという悲惨な結果に(笑)。まだまだ使えるパソコンなので買い換える気にもならず、さて2014年版はどうなることやら…。4月5日までには何とかしたいと考えておりますので、今後ともご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
 なお、「Hoto's Photos」の方は継続しておりますので、お時間のある方は「爺バカ」ぶりに呆れかえってみてください。

2014.03.24 (月) 晴れ

 今年の最終授業。漢文の返り点の演習問題を題材に、古典文法や漢文の構造についてまとめる。急にお休みの先生がいらしたが、たまたまその先生の授業時間が私の空き時間だったので、授業最終日の今日、初めてのクラスで初めて授業を行う。1年生の時に私の授業を受けていた生徒もおり、結構みんなまじめに聞いてくれて楽しかった。午後からは、新入生招集日。9047歩。

2014.03.23 (日) 晴れ

 久しぶりにやって来たシスターズと、一日中遊んで過ごす。
 ちなみに、フォーカスが改善されたというX-T1を試すが、残念ながら使い物にならず。フラストレーションのみが高まって、あっという間に 1DX with EF50mmL と 5DMk3 with EF85mm を手にすることに。動体の撮影でキヤノンを陵駕するのは、やはり至難の業といえそうである。
シスターズ

2014.03.22 (土) 晴れ

 レグノGR-XTに履き替えたので、試し乗りもかねて昭和記念公園へ。混雑しているかなと思ったが、案外空いていた。園内を流れる残堀川沿いを散策しながら、河津桜を撮影する。さて、後期試験を受けた諸君のサクラは咲いただろうか?
河津桜

2014.03.21 (金) 晴れ

 家族みんなで墓参り。7人乗りが威力を発揮する。
 桜の開花のニュースが聞かれるようになったが、東京でも早い所は開花している。染井吉野ではない種類なのだろうか。↓近所の農家の庭先にて。
開花始まる

2014.03.20 (木) 雨

 教科書販売+数学ⅡBの100題テスト。その合間を縫って4回目の個人面接。午後からは成績会議。2学年はとりあえず全員無事?進級。11086歩。

2014.03.19 (水) 晴れ

 数ⅠAの100題テスト+ロッカー移動+星陵セミナー。星陵セミナーで私が担当した講座は…ノーコメントということで。10391歩。

2014.03.18 (火) 晴れ

 午前中授業、午後からセイフティー教室ということで、麹町警察署の方を招いて薬物濫用防止講演会。興味深い話であったが、もう少し上手に話して下さると、さらに重要性が伝わったと思うのだが…。10242歩。
 おもしろいニュースがあったので朝日新聞 digital より引用。見出しは「「ロッキー」を「ポッキー」に改名
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 商品名は「ロッキー」ではなく、やっぱり「ポッキー」――。江崎グリコはチョコレート菓子「Pocky(ポッキー)」を、マレーシアではイスラム教徒に「pork(ポーク)」(豚肉)を連想させるとして、「Rocky(ロッキー)」と名前を変えて販売してきた。しかし、世界販売強化の一環で、「本家」の名前に戻すことにした。
 グリコがマレーシアに進出したのは1970年代。進出検討当時、現地の販売代理店から「イスラムの国だし、ポッキーは、ブランド名を変えてはどうか」と提案があり、頭文字を「P」から「R」にして約40年間販売してきた。
 ただ、グリコは東南アジアを中心にポッキーの世界販売を強化しており、統一的なPR戦略の展開を図っている。
 マレーシアでは消費者調査も実施。「ロッキーをポッキーに改めても売れ行きに問題がない」と判断した。実際、イスラム教徒が多いインドネシアでは「AKB48」の海外姉妹アイドルグループ「JKT48」を起用したテレビCMの効果などもあり、ポッキーの販売が伸びている。
 現在、マレーシアにはタイの工場から輸出しているが、ロッキーの生産は昨年末に終了した。今後はCMを大規模に展開するなど、マレーシアでのポッキー販売額を、2016年度に現在の3倍以上の10億円にするのが目標という。
 ポッキーは世界約30カ国で販売している。昨年の売上高は前年比3割増の約400億円だった。20年に10億ドル(約1千億円)に引き上げ、米モンデリーズの「オレオ」やスイス・ネスレの「キットカット」といった世界ブランドの仲間入りをするのが目標だ。(近藤郷平)
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2014.03.17 (月) 晴れ

 久しぶりの授業。年度末まで各クラス2時間ずつなので、考査答案の返却・解説は早々に終わらせ、漢文のまとめ授業を展開することにする。今日は「鴻門の会」の復習、次回は返り点の付け方(漢文構造)復習の予定。9383歩。
 ところで、昨日の桜の撮影は、EOS7D(910g) + SIGMA50-500mmOS(1970g) ということで、合計約3キロの機材を使っていたのだが、桜の花の撮影だから当然上を向けなければならない。ということで、今日は首は痛いし肩は凝るしで、ヒドイ有様である。やれやれ。

2014.03.16 (日) 晴れ

 暖かな一日。午前中、石神井公園に出かけるが、多くの人出に驚いたのか、カワセミの鳥果ゼロ。しかし、通り道の桜で花をつけ始めているものがあることを発見し、夕方になってからその桜を撮影に出かける。まだほんのちょっとしか咲いていない(0.2部咲き?)が、それでも夕日を背景に撮影が楽しめた。自分で言うのも何だが、美しすぎる…。
桜sunset

2014.03.15 (土) 晴れ

 昨日から主人が出張で不在。のんびり起きて昭和記念公園に出かける。暖かな日差しのもと、のんびりクロッカスや梅やスイセンや盆栽を撮影しながらのんびり過ごす。久しぶりに Canon5DMk3 を持参したが、Canonのカメラは機械としては圧倒的に FUJI よりも使いやすく、100mmMACRO F2.8L と 70-200mm F2.8L という名玉を持って行ったせいか、出てくる画像の素晴らしさも再認識。いや~、さすが Canon である。
BONSAI

2014.03.14 (金) 晴れ

 球技大会2日目。女子のドッジボールが優勝!へぇ~みないな感じである。
 父上を亡くしたレスリングの吉田選手がインタビューに答えていたが、「お父さん」の連発には「沙保里、お前もか~」といった感じでガッカリである。31歳にもなって、人前で身内をお父さん(お母さん)はないだろう。体協は、コミュニケーション能力向上が目指されているこの時代、スノボ選手の若年化なども踏まえて、インタビュー向けの言葉遣い教育などに取り組んではどうだろうか。ついでに、理研は、研究「倫理」教育ですかな…。11390歩。

2014.03.13 (木) 晴れのち雨

 球技大会1日目。生徒に「全種目、決勝に残ったんだろうな」と聞いたところ、「当然残りましたよ、ははは…汗」みたいな反応で、極めて不安である(笑)。
 久しぶりに教科書の編集会議。実は、シェア第5位だった教科書が今回の採択では第13位と大苦戦。そのため、新しい体制で編集に臨むことになり、そのまとめ役の一人としてV字回復?の責務を託されたわけである。日比谷の授業どころではない…というのは冗談だが、忙しい一年になりそうである。やれやれ…。12910歩。
 ところで、昨日の記事を見た方々から結構クルマのことを話題にされる。クルマはオデッセイ・アブソルートEXである。以下、偏見を書くことになるが、スバルのエクシーガは、乗り心地は楽しそうだが7名乗車はちょっと厳しい感じ。マツダは古いモデルしかなく、アルファード(ベルファイア)やエルグランドの趣味の悪さについていけない人間には、オデッセイしかないのである(外車はコストパフォーマンスが圧倒的に悪いし、ボクシィ・ノア・ステップワゴンに至っては、運転を楽しみたい者にとっては論外)。一部でサスが固いというインプレッションを見るが、7名乗車でアブソルートのハンドリングを実現させるには、あのレベルの脚が当然要求されるわけで、それも弁えずに夫婦2人+子ども乗車で固いと評価する方がおかしいのである…が、それでも買ってしまう魅力あるクルマということなのであろう(…繰り返すが、新オーナーの単なる偏見である)。
スイートピー

2014.03.12 (水) 晴れ

 修学旅行の代休。写真を整理したり、クルマを一ヶ月点検に持って行ったりして過ごす。そうそう、先月初めにクルマを買い換えたのである。消費税アップの前に、孫一家との「長い冒険の旅」(車名の由来)も考えて7人乗りにしたのであるが、やはり新車の運転はワクワクするものであるなぁ。
OMD50007.jpgLEDが曲がる方向を照らす
OMD50010.jpg後ろ姿もなかなか凜々しい

2014.03.11 (火) 晴れ

 修学旅行も無事終了。しかし、京都は寒かった~。雨には降られなかったが雪に降られた。例えば、最終日の3月10日クラス行動の日(京都御所→和菓子作り体験→三十三間堂→平野屋本家(いもぼう料理)→京都駅)の様子はというと…
朝の京都御所午前9時半の京都御所
1時間後午前10時ごろ
雪の三十三間堂12時の三十三間堂
昼の三十三間堂かなり降る
午後の知恩院午後1時の知恩院
いもぼういもぼう料理
清水順正初日の清水順正
 いもぼう料理とは、海老芋と棒鱈を炊きあげたもの。「う~む」という予想を裏切ってたいへん美味。再訪したい。
 ところで、10日発表の東大は、現在のところ34名が合格とのこと(今日と明日が代休なので聞きかじり情報である)。現役で理Ⅲに合格者が出たのは立派であるが、ちょっと文系が不振だった模様。医学部系も、東京医科歯科や筑波をはじめ、地方の国立大を含めるとかなりの合格者が出ているそうである。

2014.03.07 (金) 晴れ・にわか雪

 卒業式。答辞が立派であった。
 例年、卒業生から卒業アルバムにサインを求められたりするわけだが、ある生徒から「3年になって先生の授業を受けてから、外語大で言語を学ぶことに決めました。ありがとうございました!」とうれしい合格報告を受ける。未来に向かって輝く諸君ほど素晴らしいものはないと実感する瞬間でもある。
 キヤノン・フォトサークルに写真が掲載される。タイトルは「雨がくるかな」。ジャンルマスターの小川晃代先生から「5mの距離に現れたなんて幸運ですね!羽の質感まではっきりわかるほど大きく撮れています。見上げるようなしぐさのカワセミの可愛らしさと、大きく捉えた事で生まれる迫力を併せ持った作品です。」とコメントをいただく。本当にラッキーな出会いであった。
雨がくるかな
 ところで、明日から修学旅行の引率で出かけるため、火曜日まで更新できません。とりあえず、TOPページの画像だけ更新。

2014.03.06 (木) 晴れ

 後期期末考査最終日。考査終了後、星陵会館で修学旅行の事前指導。考査中にも遅刻する者がいるクラスの担任としては、出発日の集合時刻に全員が遅刻しないことを祈るばかりである。とほほ…。11561歩。

2014.03.05 (水) 雨

 国語科で今年の日比谷の入試問題を振り返る。漢字の書き取りは「堂に入る」の出来が悪く(「照準」など、他の問題も今一つの結果)、読みでは「酷吏」が出来ていなかった。小説の出来はまずまずであったが、説明文の問題は選択肢問題でさえ出来が悪く、250字の記述問に至っては、問題文の読解が不十分なため、満足な解答がまったくなかったと言ってよい状態。最後の古典を題材にした問題は、例年並みといったところであった。小説と古典題材問題は進学指導重点校の共通作成問題だが、説明文は日比谷が独自で作成した問題である。独自ということで、力が入ってしまったというところだろうか。11028歩。

2014.03.04 (火) 晴れ

 休日出勤などの振替休業をもらい、ついでに、答案持ち出しの許可ももらって家で採点する。休業日だから休む(遊ぶ?)のが本当なのだが、修学旅行も近いので、早いうちに仕事をすませてしまおうというわけである。結果はお楽しみに…って、生徒諸君はちっとも楽しくないか(笑)。
チューリップ

2014.03.03 (月) 曇りのち晴れ

 雛祭りということで?天候は回復するも風の冷たい一日。
 2年生の古典の答案が出て採点を始めたが、出来の悪さにガッカリ。英語+世界史+古典という時間割もかなり大変だとは思うが、わざわざ考査のために勉強しなくても出来るはずの問題(授業に普通に臨んでいれば出来るはずの問題)さえ出来ていないのはどうしたものか…。8434歩。
 東京オリンピックに向けての施設建設のため、ゼネコンなどは被災地に配置していた人員の引き上げを始めているという。復興との連携をアピールしたオリンピックの実態がこれである。インチキも甚だしい。結局こうやって「格差」が進行していくのである。

2014.03.02 (日) 雨

 昨日卒業式だった主人(3年生担任)が、たくさんお花を頂いて帰宅。式や最後のホームルームや謝恩会などで疲れているだろうに、深夜に帰宅した後、ちゃんと花束をほどいたり、水やりをしたりと、そういう所は立派である。で、今日は早速それらの花を花ビンに生ける。我が家は美しく彩られ、私は被写体の出現に大喜びとなるのであった。
生けバラ
花いっぱい
生ける
 昨日の朝日新聞オピニオン欄より。著者のノーマ・フィールドさんはシカゴ大学名誉教授の日本研究者。父親がアメリカ人で母親は日本人で東京生まれ。私は『源氏物語、<あこがれ>の輝き』を読んだ。
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――日本での原点は何ですか。
「団塊の世代の66歳ですから、私の原体験は質素な日本なのですが、そこには戦争が終わった解放感が確かにありました。『めだかの学校』に歌われてるような、誰が生徒か先生か分からない、そんな空気です。空襲で防空壕(ごう)に逃げなくてもよくなったという喜びは、たびたび母に聞かされました。あの感覚が日本では次第に薄れているのを感じます」
 ――確かに、戦後的なものが急速に崩れてきています。
「知人によると、日本のある小学校での講演で『平和』という言葉を使わないように言われたそうです。プロレタリア文学を研究していると戦前の伏せ字を扱いますが、戦前、戦中に平和は『××』とされたことが多かった。いまや、戦後と地続きではなくなったというか、敗戦直後に日本人が真剣に議論したことがゼロになりつつあるように思います。安倍首相も靖国神社参拝を強行しました。米国従属から一歩踏み出ようとしているのでしょうか。米国を中心とした考え方が良いとは思いませんが、大国の制止も気にしないような空気が漂いつつある。それは非常に怖いですね」
 「いわゆる『普通の国』イコール戦争ができる国ということなのでしょう。戦争になって最初に犠牲になるのは、若くて生活に困っている層だということは米国の歴史が証明しています。東京都知事選の結果からは、そんな若い人たちも『強い国』を主張する田母神俊雄さんに投票したように見えます。最初に戦場に出る若者が右傾化を支持する。それは、近代史の忌まわしいパターンの一つだと思います」
――今の若者は「戦争を知らない子どもたち」ではなく、「戦後を知らない子どもたち」ですね。
 「戦後を知らないし、バブルの頃すら知らない世代です。自分たちに戦後民主主義と繁栄の恩恵がもたらされているとは感じられないのだと思います。細川護熙さんは都知事選立候補の会見で『腹七分目の豊かさでよしとする成熟社会を』と語りました。就職できない若い人たちはこれをどう感じるだろうか、と日本の知人が心配していました。細川さんの考えが間違っているとは思いません。でも、その言葉が届かない」
 「2000年に発行した『祖母のくに』の中の論考で『繁栄感覚が希薄になったとき、その代わりに何が出てくるのか』と書きました。それがいよいよ現実になってきたのを感じます。まず繁栄がなくなり、そして、平和すら犠牲にしようという流れになっている。8月15日に『平和と繁栄』とだけ唱え続けてきた欺瞞(ぎまん)はずっと気になっていましたが、今聞くと懐かしくすらあります」
――経済の衰退が人々の意識を変えていく、ということですか。
 「経済的に一番弱い立場に置かれる人は、自分の生命さえ犠牲にしないといけないようになります。私は『生活と生命の乖離(かいり)』と呼んでいますが、明日の生活のために5年先、10年先の命を顧みられなくなる。マイケル・ムーア監督の映画『シッコ』で、トニー・ベンという英国労働党の政治家がこう語っています。人が押しつぶされそうになっている状態というのは、支配層にとって、とても都合がいい、と。『戦争ができる国』にしようとしている政治家を若い世代が支持するのは、まさに生活と生命の乖離だと思います」
――「生活と生命の乖離」の例は、ほかにもありそうですね。
「ええ、これは格差にあえぐ若い世代に限りません。広い意味では、原発を誘致した地域や原発作業員にも当てはまる。生活のために自分の存在自体を懸けなければいけない構図はいたるところにあります。細川さんの文明論は、明日がどうなるか分からない人には、抽象的でぜいたくなものに聞こえたかもしれませんが、この乖離を乗り越えようと言っていたようにも思えます」
 「原発に反対しようとするなら、反対できない人々のことを考えなければいけないと思います。選択肢がない人は情報すら欲しくなくなる傾向があります。さらに心配の種になるからです。そういう意味では今後、現実を伝える言葉すらタブー視されるのではないでしょうか」
――戦後の繁栄と平和を知らない世代に届く言葉を、どう紡ぎ出せばいいでしょうか。
「都知事選では、宇都宮健児さんも若者の支持率が高かった。田母神さんと宇都宮さんの若い支持層は逆の方向を向いているように見えるけれど、実は同じ層から来ているのではないでしょうか。希望を託す先が違うだけで。この双方の若者層に、時代のしわ寄せをすべて負わされている『我々』という意識が生まれたら、可能性があるとも思います」
 「小林多喜二は、『中央公論』で『党生活者』という作品を書いています。舞台は満州事変後で、軍事産業の景気が良くなり、工場がガスマスク製造を始めるために臨時工を雇います。戦争のために臨時工が職にありつき、一生懸命働いたら正社員になれるかも、と考えて働きます。そこで、運動家たちが臨時工と普通工の共闘を仕掛けようとするのです。劣悪な労働条件を改善すると同時に、臨時工の雇用をもたらす戦争にも反対しようとする。戦争が始まった状況で、それでもこんなことを目指していたのがすごい」
 「08年の『蟹工船』ブームの際には、物語を現代にあてはめても、非正規労働者と正社員は一緒に闘えないだろうと繰り返し指摘されました。そこをどう橋渡しするか。多喜二の作品でも結局は失敗しますが、その失敗を丁寧に描いている。だから次があると感じられます」
――どこに希望を見ますか。
 「私は『希望派』ではないんです。自分が実感できない希望を、自分が信じていないものを、人に伝えることはできません。一方で、希望と聞くと、先日亡くなったフォーク歌手のピート・シーガーを連想します。シーガーは、決して諦めない人でした。どんな場で音楽を奏でても、聴衆との関係を作り上げ、全員を参加させる。体を使って模索する行為自体が希望だという気がします。結果よりプロセスを重視するということでしょうか」
――希望は見えにくいけれど、諦めない、と。
 「井上ひさしさんは多喜二を描いた戯曲『組曲虐殺』で『絶望するには、いい人が多すぎる。希望を持つには、悪いやつが多すぎる』というセリフを主人公に託しています。いとおしく思う人や譲れない理念があるからこそ、愛情と共に怒りが生まれる。私にとって怒りは原動力です。これほど人間を馬鹿にした政治を押し通すなんて、放っておけるものか、と考えています。希望とは、外にあって元気づけられるものではなく、主体的に作り上げるものではないですか」
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 夜、主人が久しぶりに生パスタを打つ。
生パスタ春キャベツのペペロンチーノ
ミネストローネとサラダ

2014.03.01 (土) 雨

 昨日の春気分が嘘のような寒い一日。しかし地元の桜並木の下を歩いていると、桜の木全体の印象がうっすらと赤くなりはじめている、つまり、少しずつ芽吹き始めているのが分かる。で、近所の河津桜が咲いていることに気づいたので、早速ビニール傘をさして撮影に。またまた楽しみな季節が近づいているのである。
近所の河津桜