LEICA-Q


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憧れのカメラ

 ライカは憧れのカメラである。ただし、実際に自分が使って楽しいのかというと、微妙な気がしていた。というのも、最もライカらしいライカのM型(こちら)では、マクロ撮影が弱いらしいし、さらに望遠の撮影にも弱いという欠点(特徴?)があるからである。また、レンジファインダー、つまりAFが動作しないカメラでもあるという点も、MF時代を知らずにカメラの世界に入った私にとっては、かなり敷居が高いなぁという印象を持つ要因になっていた。ちなみに、スナップの世界では、目測で距離を測ってMFする方が早いという人がいるわけだから、要は慣れの問題だとは思うのだが、ローガンになりつつあるし、今更MFは…というのが正直な感想である。こういうわけで、マクロや望遠を使って花の姿を捉えることが好きな自分にとっては、まったくその楽しみが味わえないカメラだろうと思っていたわけである。

 ライカのメインボディはMというモデル(こちら)で、もちろん元々はフィムルカメラだったわけだが、現在では最新のフィルムモデル(M-A、こちら)とともに、デジタル化され、動画撮影にも対応したM-type240(こちら)というモデルが出ている。ライカショップで試し撮りさせてもらったが、手にした時に感じる重さやしっかりした作り、いかにもライカといったデザインが気持ちをそそるなかなか魅力的なカメラである。EVFも外付けできるので、一眼に慣れてきた人間にとっても、入門しやすくなっているようだ。ただし、定価は939600円也。コダック製のCCDセンサーを搭載したエントリー機のM-E(こちら)というのもあるが、こちらも702000円である。さらに驚くのはレンズである。私が欲しいと思っているSUMMILUX-M 50 mm f/1.4 ASPH という50mmF1.4のレンズは486000円、さらに憧れのNOCTILUX-M 50 mm f/0.95 ASPHともなると、1382400円である。つまり、ボディにしろレンズにしろ、どう考えても「0」が一つ多いわけで、この世界(沼)に填まってしまったら、地方公務員ごときには這い上がれない事態に陥ること必定なのである。

 ちなみに、Panasonicのボディにライカのバッチだけつけた「なんちゃってライカ」もあるし、APS-Cサイズのセンサーを積んだXシリーズ(こちら)というのもある。前者は10万円しないし、後者も30万円半ばということで、手が届かない訳ではない。しかし、どちらもコンパクトデジカメの域を出ないし、ちょっとでもライカ風なところがあるXシリーズも、値段の割には日本のコンデジほど性能がよくない。第一ファインダーがない(外付けでもつけられない)という大きな弱点がある。

 そんな中、美しいアルミ削り出しボディを持つ最新のライカT(こちら)が2014年に発売になった。そのAPS-Cサイズのセンサに合わせて、AFが駆動するTマウントのレンズも新しく用意されたし、タッチパネル操作、動画、WiFiといった最新技術にも対応している。Mレンズアダプターを介せば、M用のレンズ資産も(MFではあるが)使用できる。しかも、ボディは237600円、Tマウント交換レンズもバリオ・エルマーT F3.5-5.6/18-56mm ASPHが215000円、ズミクロンT F2/23mm ASPHが243000円で、無理をすれば手が届かなくはない範囲である。外付けのビューファインダー(ビゾフレックス)もあって魅力的かも知れない。ただ、そのスタイリッシュなデザインは、逆にどこにでもあるコンデジぽくて、ライカらしさを感じさせないという点から好きになれないという人もいるに違いない。(私もその一人…)

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……などと、情報だけは集めつつ、慎重に沼の周囲を周遊していたのであるが、とうとう底なしの沼に足を取られるはめに陥った。原因は、2015年6月に新たに発売されたQ(こちら)というモデルである。2400万画素のフルサイズのセンサに、ズミルックスf1.7/28mm ASPH28mmという明るいレンズを組み合わせたモデルで、デザインもライカの良さが継承されている。レンズ交換はできないが、クロップで35mmと50mmのブライトフレームが表示され、jpegだとそのサイズで記録される(DNG形式で保存すれば、クロップしても28mm相当の情報が記録される)。もちろん、クロップされた35mm、50mm相当のjpeg画像では画素数は減ることになるが、簡易な28mm、35mm、50mmのズームを搭載したフルサイズマシンとして使うことができる。起動やAF動作も速いし、368万画素のEVFも搭載している。タッチ操作や動画、WiFiも内蔵。おまけにマクロモードまである!と来ては、私の日常のスナップ用としては、まったく不満はないカメラなのである。ということで、沼に填まることになった。ちなみにお値段は…お調べ下さい、私の一ヶ月の稼ぎでは買えません…(泣・笑)。
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 まだ使いこなしているわけではないが、クロップ機能を使ってブライトフレームを表示させると、ブライトフレームで囲まれた撮影できる範囲の外側まで確認できるようになり、これがなかなか楽しい気がしてきた。FujiのX100Tにも電子式レンジファインダーという名で搭載されている機能なのだが、X100Tでは電子ファインダーばかり使っていたので、この楽しさには気づかなかったのである。
(↓白いのがブライトフレームで、その内側が撮影範囲だが、その外側の様子も分かって構図を考える助けになる。ちなみに、これはライカMのものをネットからダウンロードした画像)
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 動作も軽快で、動きものを撮らない限りAFにも不満はない。先日、孫の夏祭りの撮影に持って行ったが、動き回る孫を姿を捉えるためには、やはりキヤノンを持って来るのだったと後悔したが、後で画像を確認すると、ピンぼけは少なく、それなりに撮れていたので結構好印象である。しかも、あまり期待していなかった高感度性能もかなりイイ感じ。逆に、評価測光に頼る素人ユーザーにとっては、測光性能はもう少し改善の余地がある気がする(というか、たぶん余計な手が加えられていないだけの話で、状況に合わせた測光設定をユーザーの側でしっかり設定すればイイのだろう)。また、メインスイッチが軽く、OFF→S(シングル)→C(連写・10枚/秒)となっているのだが、SにしたつもりがCになっていることがたまにある。EVFの保護ガラスに睫がつくせいか、すぐに曇りがちになって見にくくなるのも改善の余地があると思う。 
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▼ライカで撮影した jpeg 画像は「こちら」から。


2016-03-30



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