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初めての一眼(レフ)カメラ選び

<基本的な考え方>

 カメラには、①初級者用、②中級者用~ハイアマチュア用 ③ハイアマチュア~プロ用という区分みたいなものがある。キヤノンで言えば、
  ①KISS ②50D、7D、5DMk2 ③1DMk4
ニコンで言えば、
  ①D3000、D5000 ②D90、D300S、D700 ③D3S 
オリンパス
  ①E-620 ②E-P1、E-P2、E-PL1、E-30 ③E-3
ソニー
  ①α550 α380 α330 α230 ②α700(製造中止) ③α900
といったラインナップである。②の中級者用が多いが、これはハイアマチュアと言われるスゴイ人々をも対象にしているからであろう。ちなみに、これは目安であって、初心者が③レベルのカメラを使って悪いということはない。予算と体力があれば(一般に③クラスのカメラは大きくて重い…)挑戦しても構わないし、プロも②のカメラを活用している人が多いようである。
 大切なのは、③を使えばイイ写真が撮れるのか、①と②を比べた時に②を使った方がイイ写真が撮れるのかということで、(何がイイ写真かは置くとしても)実はそういうことにはならないのである。つまり、出てきた画像そのものを比較すれば、①~③の間に大きな違いはないのである。
 では、①~③の大きな違いは何かと言えば、一つは信頼性ということであり、もう一つは連写性能ということである。
 ③の機種は、プロが使うから失敗があってはならない。だから、耐久性の高い部材が使われているし、防塵防滴構造(雨や埃に強い設計)になっている。灼熱の砂嵐の中や氷点下の吹雪の中でも、安心して使えるということが大切なのだそうだ。また、スポーツ写真などでは、一瞬の決定的瞬間をものにする必要がある。そのために、プロ機では秒間9~10枚といった連写が可能な構造になっているのである。1秒間に9~10枚もシャッターが稼働するためには、高度なメカニズムが必要になるし、それでいて高信頼性を確保しなければならないわけだから、それだけボディはガッシリとした構造を取らざるをえず、大きく重くなるし、値段も高くなるというわけだ。
 私は、鳥撮りにはまってしまったので、③的なカメラも欲しいと思うが、一般的な利用という点からいえば、③レベルのカメラは必要ないだろう。
 ①と②の違いも、基本的には信頼性と連写速度といったところで、②は、③の機種ほどではないが、丈夫なボディ(①は強化プラスチックで②はマグネシウムなど)とそれなりの連写性能を持っているのである。
 ということで、最初に買うカメラとしては、画質も高く、オートで撮り始めて、その後、プログラムモードなどへのステップアップが可能な①レベルのカメラを勧めることになる。最初からスポーツや野鳥を狙うというのであれば②も考えられるが、技術は日進月歩なので、最初にボディにあまり高いお金をかける必要はなく、ある程度カメラになれたら、次にステップアップとして②レベルのカメラを狙うというのがイイのではないだろうか。

<高感度>

 ちなみに②についていうと、例えばキヤノンでは、50Dが①寄り、7Dは連写速度で③寄り、5DMk2は高画質が特色となる。ニコンでは、D90が①寄り、D300Sが連写速度で③寄り、D700が高画質が特色である。特に、5DMk2とD700は高感度に強く、暗い場面でもフラッシュを使うことなく撮影が可能である。
 暗い場面では、手ブレをなくす(=シャッター速度を早くする)ためにはフラッシュを使うことになるが、フラッシュは使い方が難しく、ヘタに使うと雰囲気が台無しになってしまう。そこで、映像素子の感度を高めることでシャッター速度を早くするわけだが、高感度にすればするほどノイズが増えてしまうという欠点がある。5DMk2とD700では、高感度性能が高く、暗い場面で高感度を使用してもノイズが少ないために、フラッシュを使用しないで済む範囲が広くなるのである。
 一般論として、キヤノンはどの機種も高感度に強く、ニコンはFX機(フルサイズ映像素子搭載機)が高感度に強いといわれている。

<手ブレ補正>

 これは 
  カメラボディで補正する=オリンパス、ソニー、ペンタックス
  レンズで補正する   =キヤノン、ニコン、パナソニック
となっている。前者のイイ点は、すべてのレンズに補正が効くことであるが、ファインダー像では効果が確認できないため、望遠レンズを使う時に、ファインダー像は常に揺れた状態になってしまうのが大きな欠点である。
 一方、後者は手ブレ補正機能を持ったレンズを使わないと補正されないのが欠点である。短焦点のレンズには、まだ手ブレ補正が内蔵されていないものも多い。ただし、補正レンズを使うと、その効果がファインダーで確認できるため、特に望遠レンズなどではピント合わせが格段にやりやすいし、気持ちよく撮影できるのである。
 以上から考えられる一番イイ組み合わせは、ボディ内手ブレ補正機能付きのカメラ本体を買って、望遠レンズだけは手ブレ機能付きを使用するということである。短焦点ではボディ側の補正を使い、望遠レンズを使う時は、ボディ側の補正をオフにして、シグマやタムロンといったレンズメーカーから発売されている手ブレ補正機能つきレンズを使うようにすれイイわけである。

<具体的なメーカー・機種>

 私は、キヤノンとニコンとオリンパスとソニーの一部機種を使ったことがある。ペンタックスとパナソニックはない。だから、ペンタックスとパナソニックについては人の噂(雑誌やウェブ)から得た情報である。ガセもあるかも知れないので、最終的には自己責任で。

 ペンタックスは、オートフォーカスに信頼がおけないらしい。オートフォーカスは初心者にとっても、プロにとっても超重要な機能なので、選ぶ際は注意が必要かも知れない。
 パナソニックは、スチル写真に関しては後に述べるオリンパスとほぼ同等(ただし、ボディ内手ブレ補正がないのはマイナス)と考えられるが、動画の撮影性能では、それ専用に開発したレンズを用意するなど、現行のカメラの中では一番使い勝手がイイらしい。私はあまり動画を撮ったことがないが、最近の雑誌では動画の特集も多く、すでに必須の機能であることから言っても、注目に値すると思われる。

 次に、オリンパスソニーだが、どちらもボディ内手ブレ補正がついていて、すべてのレンズで手ブレ補正ができる点はイイのだが、高感度に弱いのが大きな欠点である。私は花をよく撮るが、光が当たってる部分はキレイに撮れるが、影になっている部分などのノイズがかなり気になる感じである。ただ、オリンパスには「アートフィルター」という楽しい機能があり、しかもカメラそのもののデザインが好きなので、個人的には押したいところである。フォーサーズというデジタル専用規格で作られていて、小型化が可能であるという点も将来性がある。それを生かした「ペン」という昔懐かしいブランドも立ち上がっており、とにかくカッコイイと私は思う。(しかもCFが宮﨑あおいだ!)なお、「ペン」にはファインダーがなく、オプションで買う外付けファインダーを装着することになる。ファインダーがないと構図などが決めにくいので、ある意味、構図などあまり気にしない初心者か、ファインダーがなくても大丈夫なハイアマチュアの両極端用ではないかといった気もする。ソニーには、純正でカールツァイスのレンズが用意されている点が超魅力的だが、その一方で、カメラ本体が今一つで、レンズの良さが生かし切れないといったところだろう。(将来的にはよくなるかも)

 というわけで、現状で推薦するカメラとしては、結局はキヤノンニコンということに落ちつく。キヤノンではKISS X4、ニコンではD3000ではなく可動式の液晶がついているD5000がよいらしい。両者は、どちらもSDカード使用だし、実際に出てくる画像については大きな違いはないだろう。ボディに手ブレ補正がついていないので、手ブレ補正付きの交換レンズが必要になる点も同じである。ただし、最近は手ブレ補正付きのレンズが増えているので、オリンパスやソニーに比べて必ずしも大きなマイナスにはならない。
 あとは、店で触ったりカタログを見たり値段を聞いたりして、気に入った方を選べばよいだろう。カタログにも見るべきポイントがあるが、これは実際にカメラを触りながら、自分にとって大切なポイントを知らないと見分けられるようにはならないので、あまり気にしすぎてもしょうがない。使いもしない機能がたくさんあっても仕方ないのである。ただし、動画に関してはキヤノンの方が進んでいるらしい。ハンディなムービー専門機を作ったりしているので、技術的な蓄積があるのだろう。

<購入する時>

 実際に購入する際は、レンズキットを買うとよい。ボディだけ買って、レンズは他のメーカー製を選ぶということもありうるが、どの雑誌などを見ても、キットレンズは「安いが写りはよい」と評判である。入門機として買ったカメラにハマッてもらい、のちのち同じメーカーでステップアップし続けてもらうためには写りが良くなければならないわけで、各メーカーとも、初心者向けカメラのキットレンズには力を注いでいるらしい。
 そして、二本目に買うレンズとしては、私はマクロレンズを推薦したい。「こんな写真が自分にも撮れる!」という感動を一番簡単に味わえるのがマクロレンズである。これにはまると、カメラにはまることになると私は思う。

<まとめ>

  直球ストライク       キヤノンKISS X4(外角)  ニコンD5000(内角)
  変化球ストライク     オリンパスE-620
  微妙な判定ストライク  オリンパスEPL-1(ペンライト)
  大リーグボール1号   キヤノン7D
  消える魔球        キヤノン5DMk2
  大リーグボール3号   ニコンD3S