column2010-5

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最近よく使うカメラは

 最近よく使うカメラは、いわゆる「ミラーレス一眼」のソニーのNEX-5。一眼レフカメラの「レフ」に当たるミラーボックスを無くすることで、コンパクト化が可能となったレンズ交換式のカメラである。もちろん、コンパクト化にともなって短所もある。例えば、ファインダーがなく、コンデジと同じように液晶画面を見ながらの撮影となるため、老眼が進んできた身としてはちょっと辛いという部分があるし、また、オートフォーカスもコンデジと同じ「コントラスト方式」となるため、動きの早い被写体を狙う場合にはまったく役に立たないのである。しかし、日常のスナップなどではボディの小ささとあいまって使いやすいし、老眼は優秀なオートフォーカスに助けてもらえばよい。また、孫が生まれてからは動画を撮ることもあるので、そうなると、大きなボディの一眼レフで撮るよりは、ずっとイージーに撮影できるのである。ボディやレンズの質感が高く、手にして気持ちイイという点も大きな魅力である。

 同じようなミラーレス一眼では、オリンパスのペンというカメラも持っている。アートフィルターがあったり、EVFという外付けのファインダーを装着できたりするのが大きな美点ではあるのだが、映像素子がいわゆるフォーサーズという規格でとても小さい。それに対してこのNEX-5は、いわゆるAPS-Cという普通のデジタル一眼レフに使われているのと同じ大きさの素子なので、高感度でのノイズが少ないし、ボケ味がコントロールしやすいという大きなアドバンテージがあるのである。また、220度を超える範囲を、横方向でも縦方向でも連写で写して自動合成してくれる「スイングパノラマ」というオマケもついていて、これがオマケどころではない楽しさを発揮してくれる。登山する方が頂上でこれを使ったら、きっとスカッとする映像が撮れるはずである。
 スナップとしては優秀なこのカメラも、動くものには弱いし、また、オートフォーカスのエリアが大きいために、例えば花の蕊一本にピントを合わせるといった芸当はできそうにない。もちろん、そういう場合はマニュアルフォーカスを活用すればイイし、マニュアルフォーカスにすると自動的に液晶表示を拡大してくれる機能もあるのだが、日中の室外での撮影や老眼にとっては、やはり液晶でのピント合わせは厳しい部分も大きいのである。また、現在のところ、ちゃんとした写真を撮ろうとすると、レンズのラインナップがチープであるといった大きなマイナスポイントもある。

 で、当然のことながら、鳥撮りや花撮りの際には今まで通りのデジタル一眼レフカメラの出番となるわけだが、キヤノンフォトサークルの会員であるにもかかわらず、最近はニコンを使う回数が増えてきた。理由は簡単で、シャッターのフィーリングがキヤノンとは比べものにならないほどイイからである。出てくる絵には変わりがない(と私には思える)し、ファインダーの見えやオートフォーカス性能、オートホワイトバランス性能、測光性能なども私には差が分からない。そうなると、撮影していて楽しいカメラを使いたくなってしまうのである。唯一、高感度性能だけは、(APS-Cサイズに限って言えば)キヤノンが一歩リードしているような気がするが。

 レンズ資産はキヤノンの方が揃っているので、おいそれとは乗り換えられそうにもないが、だんだんニコンのレンズ沼に(そして、NEX-5用のレンズ沼に?)はまりつつあるのが恐ろしい今日この頃ではある。