トレッキング用カメラ
<国内撮影旅行>
2泊3日で上高地を訪ねるに当たり、またまた持参するカメラを何にしようか、楽しく頭を悩ませることになった。「写真好き」というよりも「カメラ好き」なので、台数だけはそれなりに持っているのである(笑)。
国内旅行ではあるし、トレッキングとともに写真を撮ることがメインの旅行ではあるから、高倍率ズームは最初から考えなかった。また、昨年、白神山地を旅行した経験から、風景を撮影するなら「広角ズーム+標準ズーム」の組み合わせが基本となることも分かっている。そこで、フルサイズ機に広角ズームをつけ、APS-Cサイズ機に標準ズームをつける2台体制を想定し、当初は次の2パターンの組み合わせを考えた。
<2つのパターン>
A ボディ キヤノン 5D Mk2 + 7D
レンズ 17-40mmF4L + 24-105mmF4L IS
(70-200mmF4L IS + 100mmMacroL IS)
B ボディ ニコン D700 + D300S
レンズ 16-35mmF4 VR + 24-70mmF2.8
(70-300mmVR + 105mmMicroVR)
計算上、Aのキヤノン機の組み合わせでは17mmから168mm、Bのニコン機の組み合わせでは16mmから105mmまでをカバーできることになる。それに、それぞれ望遠ズームとマクロレンズを加えて持参しようと考えたわけである。
<長所と短所>
キヤノンフォトサークルに入っている以上、当然Aが第一候補なのだが、シャッターを切った時のフィーリングの良さはニコンが圧倒的に優れ、遊びで写真を撮る身としては、この快感には捨てがたいものがある。また、D300Sには、コンパクトフラッシュとSDHCカードの両方を搭載できるため、多くの撮影枚数を確保することができるという利点がある。
一方、キヤノン機を持参した場合は、ボディとレンズがともにニコン機よりも軽いために、トレッキングとの組み合わせといった観点からは有利となるし、動画性能に関してはキヤノンの方が優れているというのが大方の評価である。
【参考】A 5DMk2(810g) 7D(820g) 17-40L(475g) 24-105L(670g)
合計2775g
B D700(995g) D300S(840g) 16-35F4(680g) 24-70F2.8(900g)
合計3415g (その差640g)
<結論>
この二つの組み合わせで考えていたのだが、よく考えてみると、キヤノンの広角ズーム17-40mmF4Lには手ぶれ補正ISが搭載されていない。一方、標準ズームの方はというと、ニコンの24-70mmF2.8には手ブレ補正VRが非搭載なのである。どの焦点域でも手ブレ補正がほしいとすると、
広角ズーム ニコンD700 + 16-35mmF4 VR
標準ズーム キヤノン7D + 24-105mmL IS
という組み合わせがベストとなり、画角に関しても、16mmから168mmという広い範囲をカバーできることになる。
難点は、充電器のセットを2種類持参しなければならないことだが、幸い5D Mk2と7Dはバッテリーが共通だし、D700とD300Sもバッテリーは共通であるため、7D用として5DMk2のバッテリーが使え、D700用としてD300Sのバッテリーが使えるので、それぞれに予備のバッテリーを持参することが可能とになるのである。
ちなみにバッテリーだが、7DもD700も丸一日(朝5時から夜6時まで)スイッチをオンにしっぱなしなのに、半分も減らなかった。特に7Dは、わずかながら動画撮影にもチャレンジしてみたのだが、まったくバッテリー残量に悩まされることはなかった。
ついでに、コンパクトフラッシュも、両機にサンディスクの16Gのカードを入れて、他に8Gと4Gのカードも持参したが、結局jpeg撮影にしてRAWの設定をしなかったため、Large Fineの画質で7Dが約1200枚、D700で800枚程度撮影したが、これまた使い切ることはなく、余裕の容量であった。
ということで、「ニコンのフルサイズ機+手ぶれ補正付き広角ズーム」に「キヤノンのAPS-Cサイズ機+手ぶれ補正付き標準ズーム」という組み合わせに決定とあいなった。広角側は手ぶれ補正がいらないとも考えられるが、私程度の腕の持ち主にとっては、手ぶれ補正はあるに超したことがないのである。
<感想>
さて、この2台体制だが、結論としては正解であったと思う。D700のシャッターフィーリングは言うまでもなく快感だし、16-35mmF4.0の最新ナノクリもグッドであった。また、7Dにつけた標準ズームも定評のあるLレンズだし、望遠側も風景ならこれで十分といった印象である。70-200mmF4L IS も持参したが、結局1度しか使わなかったし、100mmMACRO L IS に至っては、結局一度も使わなかった。写真の出来映えはともかくとして、これが現在のところ最高の組み合わせではないかと思う。
なお、当然のことながらトレッキングや登山しながらカメラ2台を持っている者はほとんどいない。そのため、2回プロと間違われた(笑)。
また、足が疲れるだろうと思って持参したバンテリンは、もっぱら重いリュックサック(カメラ2台、三脚、水など)を担いでパンパンになった肩用として消費されてしまった。上高地程度のトレッキングだから何とか2台を運べたが、重さという点に関しては、2台体制というのもなかなか微妙である。