column2010-10

サッちゃんの孫

街角床屋

グリーンタンジェリン

赤ちゃんの撮影

  孫ができて孫の写真を撮るようになってから、人間を撮ることが楽しくなってきた。これまでは、花や鳥など、私が「美しい」と感じるものを撮ってきたわけだが、やはり人間も「美しい」とつくづく感じるようになった。特に、赤ちゃんの肌の美しさといったら、もう虜になってしまうわけである(笑)。

 ところで、この赤ちゃん撮影、なかなかの難物である。
 生まれたばかりの頃は、ただ眠っている(あるいは横になっている)だけだから、どんなカメラでもOKだったのだが、6ヶ月も過ぎ、だんだん表情や動きが豊かになってくると、それなりのテクニック(機材?)が必要になってくるのである。というのも、
 1 寝ているときは別にして、ずっと動き回っている。
  たとえ抱っこしている場合でも、顔や手、目などの表情は動きっぱなしである。
 2 今は季節が悪いため、室内にいることが多い。
  そうなると、必然的に暗い場所での撮影ということになってしまう。
という、相反する状況に対応しなければならない、つまり、動き回っているわけだから、早くピントを合わせて、早い速度のシャッターを切らなければならないのだが、光の少ない室内となると、カメラのオートフォーカスも遅くなるし、当然のことながら、シャッタースピードも遅くなってしまうという状況に対応しなければならないのである。
 それに気づかずに撮っていた頃は、いい写真を撮ったつもりでも、後からパソコンの画面で確認してみると、ピンぼけ写真、ブレ写真の大量生産であった。(気づいた今でも同様ではあるが…)。さらに、私の家は、蛍光灯の部屋と白熱灯の部屋が隣接しているため、カメラにとってはオートに設定してあるホワイトバランスも、なかなか厳しいに状況だったに違いない。

 というわけで、室内で赤ちゃんを撮影しようとすると、
 「高感度やオートホワイトバランスが信頼できるカメラに、
  明るくてフォーカスの早いレンズをつける。
  カメラのフォーカスが正確で、連写性能が高いならさらに良い。
ことが、下手くそなカメラマンには必須となるのである。マニュアルフォーカスでは、絶対シャッターチャンスをものにできない!という変な自信があるくらいである(笑)。

 私が持っている最も明るいレンズは、CANON EF 50mm F1.2L である。で、最近はこのレンズを 5DMark2 につけて撮影することが多い。ただし、連写が秒間3枚と少ないことと、ひどくシャッターフィーリングが悪いことが玉に瑕である。しかし、ピントが合って、その他の設定もうまくはまった時の写真の美しさは、もう何ともいえないものがある。

 次に明るいレンズは、SIGMA 50mm F1.4 というレンズ。これはニコンFマウント用なので、D3S につけて使うことになる。D3Sは、現在のデジタルカメラの中で最も高感度に強い機種と言われており、また、連写も秒間9枚とスポーツ撮影もこなせるプロ機である。ピントの正確さや、シャッターのフィーリングなど、すべてにおいて卓越した機種であるが、なにせボディが大きいので、重くて取り回しが大変である。でも、今後はこのカメラが登場する機会が増えそうである。

 赤ちゃんを撮る時には、その可愛らしい手とか足とか顔とかの「パーツ」を大写しにすることも多い。そういう時に活躍するのが、50mm MACRO をつけたα55である。5DMark2にEF100mm F2.8L MACRO を付けるという選択肢もあるが、撮影中はあまりレンズ交換をしたくないので、こうなることが多かったのである。しかし、ソニーのマクロレンズはモーター駆動なので、AFの際に「ジージー」と音を立てるのが大きな欠点である。寝ている孫を起こしそうで、いつも主人にしかられることになる。今後は、100mmL をつけた 5DMark2 が活躍することになるのかも知れない。

…と、まあ、とにかく、人間を撮ることの楽しみを知ってしまった、というわけである。