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露に輝く




現代語訳を使った『古事記』の授業(定時制1年生向け)

はじめに

 先日、K學院大学で行われた教員免許更新の講座で、私の現代語訳を活用した『古事記』の実践が採り上げられたとのことで、大変光栄に思います。
 それを「diary」に記したところ、数名の先生方から「どんな内容ですか?」というご質問をいただきました。定時制なので、あまり文法などにこだわる必要がないため、現代語訳を使ってストーリーを捉え、その上で、その神話の背景にある「思想」~~この「ヤマタノヲロチ」の場合は、「自然の猛威に対して知恵をもって立ち向かった人々の姿」といったもの~~を読み取ろうとしたものです。『古事記』の本文そのものは、まとめの段階で音読し、その際、歴史的仮名遣いの「ゐ」と「ゑ」などを学ぶといったことを目指しました。
 現代語訳を使っているため、内容もかなり理解できるようになり、そのせいか、ほとんどの生徒がクセのある『古事記』の本文をそれなりに上手に音読し、最後の
  「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣造る その八重垣を
という印象的な歌を暗記してくれたように記憶しています。

 ①現代語訳を積極的に活用したこと (古文の本文は、音読の際だけ使用)
 ②しかし、「思想」にまで辿り着くことで、古典の奥深さを感じさせようとしたこと
 ③音読を通して『古事記』の世界に触れ、古典に親しむ態度を養おうとしたこと
といったところが、この授業のポイントでしょうか。
 なお、この実践の根本には、三浦佑之先生の『口語訳 古事記』(文藝春秋、2002)があまりのも面白かったという背景があります。そこで、何とかこの本を教材として生かしたいと思ったことが、そもそもの発想の始まりでした。

 ここでは、
 1 全国連大会で発表した際のレジュメのPDF(KOJIKI-ALL、590KB)
 2 その中から実際の指導案の部分を中心に要約したレジュメのPDF(KOJIKI-SHIDOUAN、350KB)
の二つを掲載します。ご参考になさって下さい。前者は、古典教育に関する理論にも触れていますので、多少煩雑です。この授業のみについてなら、後者の方が分かりやすいと思います。
 なお、三浦先生のご本については、著作権の関係もあり掲載しておりませんが、ページを明示してありますので、ぜひ、実際のご本を手にとっていただければと思います。

ダウンロード

LinkIconKOJIKI-ALL.pdf
LinkIconKOJIKI-SHIDOUAN.pdf

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