桜の写真の話
光を撮る
毎年同じような画像ばかり撮影してしまうのは、多分、桜を撮っていながら桜を撮っているのではなく、桜を使って光を撮っているからであろう…などとカッコイイことを書いてみた。
プロの写真家には当たり前のことなのかも知れないが、写真とは光を撮ることであると思う。光があるからモノの形が分かり、モノの色がわかるわけで、写真とは極論すれば「光を撮る」ということになるはずである。
で、私にとって「光を撮る」上で格好の材料となるのが桜なのである。桜を使って朝の光(の色)を捉える。桜を使って夕方の光(の色)を捉える。それが私が桜を撮影したくなる大きな理由の一つである。
朝の光
昼の光
夕方の光
淡い色を帯びた桜の花びらを光が通過することで、得も言われぬ美しさが現出する。その花びらの美しさ、つまり光の美しさを捉えることに無上の喜びを感じるわけである。
これは夕方の光で撮った写真だが、左側3輪の桜のうち、一番上にある花の花びら先端には、薄いピンクが差していて美しい。
しかし、それ故、写真はどうしてもアップのものが多くなってしまうし、逆光を狙うため、同じような印象のものばかりが量産されてしまうことになるわけだ。
だから、最近は広角側の写真や、望遠でもアップでない写真にも挑戦中である。
昭和記念公園の朝
石神井川の昼
昭和記念公園の昼
石神井公園の昼
石神井公園の昼
石神井川の夕方
石神井川の夕方
六義園の夜
六義園の夜
今年のお気に入りの写真
以下、ナルシシズムの世界に入ります(笑)。
この写真の何が気に入っているのかといえば、写真右側の桜ではない。写真左側の空間部分の色がイイのである。この空間の背景にあるのは桜であるが、夕方暗くなって色がはっきりしなくなっている。しかし、それでもわずかに桜の色が感じられる。その微妙な色合いが何とも言えないのである。
この写真も、ピントが合っている手前の花がいいのではなく、その背景にあるボケた桜の色合いが私にとっては何とも言えず魅力的なのである。50ー500mmの望遠レンズの望遠端で撮影しているため、暗めの開放絞りであってもかなり大きくボケている。ただ、左上の蕾みのボケの色がちょっときつめなので、そこにもう少し光が指しこんで、柔らかな色合いになると更によかったのではないかと思う。
これは X-T1 with WF55-200mm の jpeg 撮って出し画像(ホワイトバランスはオート)。中央の丸ボケは夕陽そのものではなく、遠くの自転車か何かに当たって反射した光である。それを画面の中央に配置してみた。沈みかけている夕陽なので、かなり赤みが強くなっている。これを、PhotoshopCC で自動補正(トーン→コントラスト→カラー)してみると、こんな色合いになる。
これはこれで魅力的だが、記憶色としては上の写真が近い感じである。
同じ時に撮ったこの写真が、中央の桜の質感といい色合いといい、今年最も気に入っている写真である。
最後に、しだれ桜を撮った縦位置の写真を一枚。背景の山吹と、手前の花房の重なりによるボケがイイ感じになったと思う。
* * *
これからは、光を表現するためにも、Photoshop を上手に使いこなせるようになりたいと思う。解説本もたくさんあるが、なかなか読む暇がない。スクールのようなものがあったら、ぜひ機会を見つけて参加してみたいものである。