10月

2017.10.31 (火)  晴れ

 昼休み、旧13Rの女子がお菓子を囲んで「女子会」をしていて、ご招待をいただいたのでチョットだけ顔を出す。用事がある者を除いて全員がそろっており、お土産のお菓子をいっぱいいただいたりして感謝…って、担任の中には「餌付けーション」をしている人もいるようだが、とうとう生徒諸君が私に餌付けしてくれるようになって何よりである(笑)。
 夜の講義では、いつも私が座る席にクモのおもちゃがおいてあって、ビックリすると、学生諸君に「先生、ナイスリアクション!」といってウケる。やれやれ。それはそれとして、今日は『枕草子』「香炉峰の雪」の段の教材研究。最近授業ではやっていなかったのだが、短いながらもなかなか味のある章段であることが再確認できる、立派な教材研究であった。13544歩。

2017.10.30 (月)  晴れ

 久しぶりの晴れだが、「木枯らし一号」認定にふさわしく、高架の駅にいると飛ばされそうな風の一日であった…って、そばにいたお年寄りはよろけて、慌てて柱にしがみついていた。いやはや。9693歩。

2017.10.29 (日)  雨

 寒い一日。新宿高校で行われた都立高校合同説明会に出かける。雨だったせいか、すいていた…ではなく、遊びに行かないで参加された方が多いのか、かなり混雑していて忙しかった。ただ、合同説明会ということで、多くの都立高校が参加しているため、異動された先生方や前任校の先生方とも久しぶりに顔を合わせることができるので、個人的には楽しみにしている面もあり、今日も懐かしい先生方とたくさんお会いできてうれしかった。

2017.10.28 (土)  曇り・雨

 午前中、2番目と3番目の孫の保育園の運動会へ出かける。ちなみに、会場は一番上の小学校の体育館。小さな可愛らしい者たちがたくさんで、思わず笑みがこぼれる。(2等賞)
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 午後から、応募したらたまたま当選した無料のRAW現像講座へ。実はコンピュータ(mouse)とモニター(EIZO)、プリンター(CANON)の販促イベントなのだが、一応プロの写真家が講師なのでそれなりに面白く、Photoshop の使っていなかった機能なども分かって楽しめた。EIZO のモニターはイイなぁ~(ただし、高いなぁ~)。

2017.10.27 (金)  晴れ

 個人面談も一人を残して無事終了。生徒諸君の科目選択もかなり方向性が見えてきたようで何よりである。一方、放課後の面談で、グローバル10の成果発表会に出られなかったのがちょっと残念。9435歩。

2017.10.26 (木)  晴れ

 日中はかなり「暑い」感じだったが、やはり朝夕は冷える。選択科目に関する個人面談を行っているのだが、今日は2名にすっぽかされる(笑)。まあ、生徒諸君もいろいろ忙しいのであろう。私の方は、来週予定されている研究授業に向けて、指導案や資料などを提出しなければならず、その準備に追われる。9403歩。

2017.10.25 (水)  雨・曇り

 放課後、進学指導検討会。国語科としては、2年・3年が順調に成績を伸ばしているのに対して、1年生の結果が思ったほどではなかったことが話題になったが、これは模試の内容にも左右されるので、科としてはそれほど大きな問題とは思っていない。今年の3年生については、文系で努力の結果が表れ始めているが、理系がもう一歩といった分析がなされていた。今後に期待しよう。会議ばかりであまり歩かなかったせいか、8347歩。

2017.10.24 (火)  晴れ・曇り

 夜の教育法は、池上永一「サトウキビの森」の教材研究。この教材は新教材で、しかも現代文学の作品であるため、教材研究の資料がほとんどないのだが、発表グループはしっかり自分たちの読みを深めてきていて、立派なレポートであった。模擬授業を実施する箇所も、面白い場面を選んできており、楽しみである。11926歩。

2017.10.23 (月)  雨→晴れ

 朝、着替えのスラックス持参でいつも通り6時半過ぎには出校したが、暴風警報が6時27分まで出ていたとのことで、授業開始は2時間目からに。それでも、その頃の方が電車が混んでいたり、人身事故があったりして、2時間目の開始時にはまだ14名が到着していなかった。3時間目に欠席1名を除き全員集合。その後は、風は強いもののあっという間に天気も回復して、久しぶりの太陽であった。ただ、夕方はけっこう風が冷たかった。8881歩。

2017.10.22 (日)  雨

 よく降る雨である。選挙の結果もパッとしない。結局、無党派層というのは、ヒールを嫌うということだろう。前回の都知事・都議選では、自民党(のドン)がヒールだったから、その対抗馬の小池さん側は得票を集めたが、今回は、「さらさらない」「排除」発言で、小池さん自らがヒールになってしまったのである。それに連動するかのように、都知事選の時はあんなにイイ表情だった若狭さんも、今回は何を考えているのか分からない危険人物風な表情に終始して、「次の次」発言も批判を浴びて選挙区で落選の憂き目である。自業自得といったところだろうが、その受け皿になりきれない野党も困ったものである。今日の朝日新聞の社説に

 政党は、自動販売機に並ぶお茶やジュースではない。「お客様」なら好みのものがなければ買わなければいい。だが「主権者」はそれでは済まない。選挙の先にたち現れる政治は、日々の生活を規定し、支配する。無関係や没交渉はあり得ない。
 ならば、品ぞろえに不満があっても、その中からましな一つを選ぶ。その選んだ先と対話を重ね、次はこういう政策が欲しいと働きかけ、国を動かす。そうやってはじめて、「主権者」たり得るのではないか。
 自販機と違って、すぐには渇きを癒やせないかもしれない。期待していたとおりの味でないこともあるはずだ。それでも選ぶことをしなければ、民主主義は始まらない。

とあったが、投票率も低いし、まだまだ「民主主義ははじまらない」といったところか。
そろそろ太陽が恋しくなってきた)
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2017.10.21 (土)  雨

 午前中、土曜講習。『源氏物語』を使って問題演習。
 午後から、銀座で開かれた白鴎高校1999年度卒のみなさんの同期会に参加。女子がみなさん素敵な女性になっていてビックリ! 男子は…まあ、いいか(笑)。懐かしい先生方ともお会いできて、楽しい時間を過ごす。

2017.10.20 (金)  曇り・雨

 事情があって遅れていた国語科の歓送迎会を、赤坂見附「板前寿司」にて挙行。大間のマグロとスミイカが美味しく、かつ、楽しいイイ会であった。10742歩。

2017.10.19 (木)  雨

 あ~寒かった。以上おしまい。10618歩。

2017.10.18 (水)  曇り・晴れ

 学習の後期ではあるが、修学旅行の準備はもとより、すでに来年度の合唱祭や星陵祭の準備が始まっている。今日の学級タイムでは、来年の合唱祭に向けて委員が各パートの人数調整を始めたし、今年の星陵祭の総括も行われた。星陵祭の総括では、意見があまり出ないのではないかと思っていたら、多くの生徒が意見を発表して、いかにも「ホームルーム」といった感じでとてもイイ雰囲気だった。今日出された意見が具体的な形となって来年に生かされ、それが成果に結びついていくことを期待したい。9057歩。

2017.10.17 (火)  雨のち曇り

 放課後、進路懇談会ということで、文学・史学系統志望者12名に対して、学部ガイダンスを行う。主として商学部との就職状況を比較しながら、就職が厳しいのでは…という誤解を解く話をする。
 夜の教材研究は、『竹取物語』。よく調べてあるのだが、担当したグループが日本文学専攻の学生ばかりだったため、学習指導案が文法解説中心になっていて、フロアにいた文芸メディア専攻や演劇専攻の学生から、これでは作品の面白さが伝わらないのではないかという、至極尤もな意見が提出されて、模擬授業に向けてイイ方向修正ができたのではないかと思う。こういうところが明治の国語科教育法のイイところである。しかし、逆に言えば、他大学の日本文学専攻(国文学専攻)の学生ばかりの教育法では、文法中心の古典授業が再生産されてしまう可能性があるということでもあろう。指導者の見識が問われるともいえようか。13129歩。

2017.10.16 (月)  雨

 土曜日から姉妹校の関係にある韓国ミチョホル外国語学校の生徒さんたちがホームステイに来ていて、今日は1年生の授業に参加するとのことで来校した。1時間目に歓迎会があり、関係生徒が出席したのだが、教員も1時間目に授業のない教員(ちなみに、「授業のない先生方はご参加ください」という掲示があったのだが、その字が下手で(笑)、「将来のない先生方」と読めてしまい、高齢の先生方に結構ウケていた…)は参加してほしいとのことで、私は授業がなかったので参加してみた。ちょうど私のクラスの生徒が日比谷高校代表の挨拶をする係で、なかなか立派な挨拶であった。韓国の生徒たちも、英語は堪能だし、日本語もかなりのレベルの生徒がいて、イイ歓迎会になっていた。こういう地道な心温まる交流が、二国間の関係を改善する一つのきっかけになっていくことを願わずにはいられない。9865歩。

2017.10.15 (日)  雨

 今日は主人の友人たちとテニスの予定だったのだが、あいにくの雨。仕方ないので、衣替えをして夏服をクリーニングに出したり、映画を見たり、読書したり、合間にちょっとだけ授業の下調べをしたりして過ごす。

2017.10.14 (土)  雨・曇り

 オケ部の定期演奏会を聞きに「ティアラこうとう」に出かける。キレイなホールで、よく知っている曲目だったこともあり、素晴らしい演奏を堪能できた。今年は2年生の部員が少なめで、「賛助」の先輩が多かったが、あの音の厚みには、この先輩方も一役買っているのだろう。
 何度か読みかけては途中で挫折…みたいな本が何冊かあって、例えば専門分野でいうと、『宇津保物語』は5~6回挑戦して、本文も4種類くらい持っているのに、未だに第一巻さえ読了できていない始末である。で、そういう本は主として翻訳に多く、勝手に「訳が悪いからだ」などと悪口を言っているのだが、ちょうど昨日からハンナ・アーレントの『イェルサレムのアイヒマン』に4度目!の挑戦を始めたところ、今日、演奏会の帰りがけに本屋にブラッと寄ってみたら、なんとその新訳が出ているのであった。腰巻きに「最新の研究成果を反映し、より正確かつ読みやすい新訳」とあり、ついつい散財してしまう。これで読了できなかったら、どうなるのだろう…(笑)。
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2017.10.13 (金)  雨

 月曜日の振替休業でお休み。雨だし、13日の金曜だしで、家で静かに過ごす。ブラッド・ピットとマリオン・コティヤール主演の「マリアンヌ」を見たが、なかなか面白かった。
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 勝手な解散につきあわされる衆議院選で、これまた勝手に憲法が取り上げられている。改憲についてどう考えるのか、納得できる見解を引用しよう。(「憲法論戦こう見る」朝日新聞20171013朝刊)

■立憲主義への態度で判断を        高見勝利さん(北海道大学名誉教授)

 立憲主義における憲法は、国家権力の行使を規制するものです。最高規範として法的安定性が必要で、普通の法律よりも厳格な改正手続きが定められています。その改正権も乱用は許されません。立法や行政の対応が最高裁判所に違憲と判断されるなど、他の措置では国政上の支障が解消できず、どうしても憲法を変えないと現実に対処できないときに、初めて改正の必要が生じます。憲法改正とは本来、そうした切実な事態に基づいて要否が議論され、合意形成がなされていくべきものです。
 ところが今回の選挙では、総論としての改憲推進が先にあるように見える勢力も多く、議論が逆立ちしている面があると感じます。その上で挙げられている自衛隊の明記や教育無償化、知る権利などは、本当に改憲までしないと対応できない事態なのでしょうか。
 たとえば、確かに義務教育の無償化は憲法に書いてありますが、書いていない高等教育を無償化していけないわけではありません。緊急事態条項も、大震災時に議員がいなくて大丈夫かという漠然とした話で、参院で対応できないかなどが詰められていない。自衛隊は、政府が合憲としてきて最高裁も違憲としていないのに、違憲という学者がいると失礼だというだけで改憲理由になるのか。ファクトの議論が少なすぎます。
     *
 「押しつけ憲法だから、変えること自体に意義がある」というなら、私は違うと思います。制定過程で日本の考え方が取り込まれ、戦後の運用のなかで実効性をもって定着しているといえるからです。具体的な不具合から出発せず「変えるため」に合意を得やすい部分を探すような議論は、ためにする改憲のそしりを免れません。
 むしろ今回、解散権について考える必要性は浮き彫りになりましたが、これも立法での対応は可能かもしれません。いずれにしても改憲を進めるというなら、その理由と、本当に立法で対応できないかの検討が先にあるのが筋です。
     *
 ただ現実をみると、今回の結果と政治的な連携によっては、選挙後に急速に改憲論議が進む可能性もあります。そこで有権者は、これまでの政権運営や政治活動を立憲主義という観点からどう評価できるかを基に、だれが今後の国会で憲法を議論するのにふさわしいか、判断することが必要です。
 特に、安倍政権が進めた集団的自衛権の一部容認をどう考えるかはポイントです。従来、集団的自衛権は違憲だとしてきた政府の憲法解釈を変えて、一部容認を閣議決定して、安全保障法制を成立させました。私は違憲と考えていますが、合憲と言う方もいるでしょう。この安保法制への賛否には、候補者の憲法観が表れています。選挙戦で言及しない候補者でも、過去の言動を調べることはでき、今回の選挙での立場の説得力や矛盾も確認できます。
 憲法への姿勢があいまいな勢力を信任すれば、改憲論議を思わぬ方向に進めることにも信任を与えたとみなされかねません。たとえば9条に3項を加えて自衛隊を明記し、2項と抵触する部分が出てくるなら、後から作られた方が生きる「後法優位」の原則から2項は死文化し、一部どころかフルサイズの集団的自衛権を認める道が開かれかねません。そうした点をどう考え、議論するつもりか。有権者やメディアは出来るだけ具体的にチェックすべきです。
 フランス人権宣言には「権力分立が定められていない社会は、憲法を持っているといえない」とあります。憲法は権力を縛る規範です。首相に限らず、与えられた権力を、乱用にならないよう謙抑的に使っているかどうか。政治家の権力に臨む態度でも憲法への理解はうかがえます。少しでも支持できそうな候補者や政党に一票を投じることが、日本の立憲主義を守るために大切です。

2017.10.12 (木)  晴れ

 放課後、科目選択に向けての保護者会。進路部として、大学入試に関する説明を行う。最近の入試は複雑なので、その骨格だけでも伝えようとしたのだが、どうしても話したいことが増えてしまって、自分で話していても雑ぱくになってしまった印象である。分からなかったところはお子様に聞いてみてくださいと言っておいたので、生徒諸君は質問責めにあうかも知れないが、自分の入試に関する知識を確かめるつもりで、おとーさん・おかーさんの質問に答えること。その過程で分からないことが出てきたら、ちゃんと資料を使って調べてみよう…と、自分の説明の拙さを棚に上げる(笑)。10946歩。

2017.10.11 (水)  晴れ

 放課後、星陵会館で来年度の選択科目説明会。各教科の先生方が、必修選択科目と自由選択科目の内容、および、その基本的な選択の仕方などについて説明する。
 帰りがけ、土曜日の目の異常が気になって隣駅の眼科に寄る。眼科にかかるのは、生まれて初めてかも。1時間近く、いろいろな検査をしてもらって、結局異常なし。視力も(年齢の割には?)まずまずで、白内障や緑内障の心配もないとのことで、ちょっとホッとする。土曜日の症状については一応説明を受けるが、とりあえず目に関しての心配はないとのことで、症状が頻繁に現れるようならまたその時に…ということであった。瞳孔を開いたままにする目薬をさされて、夜の街がキレイであった(笑)。13533歩。

2017.10.10 (火)  晴れ

 今日は研究授業で、2年生の『源氏物語』桐壺巻の授業に3人の先生方が見学にいらっしゃる。お若い先生方ばかりで、6日の授業の時と同じように、皆さんとても熱心に見学されていた。昨日の記事と同じになるが、つられて生徒たちも熱心に授業に取り組み、なかなかいい雰囲気であった。ちなみに、3人のうちの一人は明大の教え子で、そういう出会いも楽しいのであった。
 その明大での夜の講義は、志賀直哉『城の崎にて』の教材研究。志賀の作品、特に身辺雑記のような作品を扱おうとすると、どうしても教材研究の段階で作品論と作家論とがごちゃ混ぜになりがちで、今日のレポートでも一部でそのような混乱が見られたのだが、それをちゃんとフロアの学生が指摘して、なかなか立派なやりとりがなされていた。今年は人数が多いこともあり、意見もたくさん出て、初回で難しい作品ではあったが、今後のよい方向性が見える演習となってよかった。12908歩。

2017.10.09 (月)  体育の日 晴れ

 世の中イイ天気で「体育の日」満喫といったところだろうが、日比谷は授業公開日ということで平常授業。保護者をはじめ、中学生やその保護者の方など、例年になく多くの方がいらした印象である。私は、公開する2時間目から5時間目までの4時間のうちに3時間も授業が詰まっていて、2時間漢文(実力テストの解説)を、残りの1時間は「こころ」の導入授業を行う。「こころ」の方は、他の先生方も見にいらして教室は混雑状況だったが、外面のよい生徒たちはその方が張り切ったりするので、かえって良かったかも(笑)。9619歩。

2017.10.08 (日)  晴れ

 3番目の孫の誕生会。上の二人は6月生まれだが、一人だけ10月生まれなのである。帰りがけ、一番上の姉の七五三に備えて、スタジオ・アリスで衣装と撮影の予約をする。受付はかなり混雑していて、今時の親御さんは大変であるなぁ…とご同情申し上げるのであった。
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 ノーベル平和賞の受賞後の記事で、印象に残ったものを一つ。こういう考え方もあるということで。(朝日新聞、20171007朝刊より)

■地球の安保に核欠かせぬ    セルゲイ・バツァノフさん(元ソ連・ロシア軍縮大使)

 ノーベル賞受賞決定は、政治的な成功ではあるでしょう。でも、そのインパクトは何でしょうか。核保有国の背中を押す必要はあると私も思います。
 核兵器禁止条約の前向きの面は、中小の国々を核軍縮に巻き込み、それらの国々が幾ばくかの影響力を及ぼせることや、核保有国に対して、小さな国々の主張をもっと真剣にとらえるように促すことなどです。
 逆に、この条約ですべての課題解決を要求するのは極めて難しいです。なぜなら、単に「人道の問題」ではないからです。
 「たった一発の核兵器の使用が皆にとっての人道的災害を作り出しうる」ことはもう長年わかっていたことでした。「人道を基礎とすることによってのみ、我々は核兵器を効果的に破棄できる」という考え方は、浅はかです。ほかにも考慮しなくてはならないことが、あるわけですから。
 核禁条約の運動は、核保有国の外側からの動きです。核保有国は外側の誰かに指図されるのは嫌ではないでしょうか。感情的にはもちろん、外側からの指図が実践的になり得るとは思えません。非核保有国は「あなたたちの核兵器を捨てろ」と命じているわけです。核保有国にしてみれば、ばかげたことだと聞こえるでしょう。
 核禁条約からは「検証」も抜けています。核保有国が参加するときに初めて検証の具体的方法を考えるというのですが、核兵器を禁止する条約を結ぶわけですから、「領土に核兵器が隠されていない」と他人にどうやってわからせるのでしょうか。
 今日、核兵器を巡って、少なくとも9カ国のプレーヤーがいます。数十年前には、旧ソ連と米国だけでしたから交渉することが可能でした。戦略爆撃機やミサイルの破棄をどうやって検証するか、などについてですね。しかし、今は同じ舞台に9カ国もいます。実現可能な新しい検証システムを作ることができるとは思えません。
 核禁条約の推進側は、本当に人道的なこと、つまり「戦争を防ぐ」という大きな目的を忘れつつあるように思います。私にとってみれば、逆に現在の安全保障を危険にさらしているようにもみえます。「魔法の力によって世界から核兵器が消滅した世界では、より戦争が起きやすくなる」ともいえるでしょう。
 「核兵器には前向きの役割がある」と言っているわけではありませんが、今日における核兵器という要素は、地球規模の安保体制の一部だということです。これを取り除くというのならば、戦争を防ぐという意味で、バランスをどうとるか考えなくてはなりません。戦争を防ぐには何が必要か。これは単純かつ、とても哲学的で、とても大きな問いかけなのです。

2017.10.07 (土)  雨のち晴れ

 午前中、9月締め切りだった原稿の訂正や、間に合わない方の原稿の肩代わりなどをして真面目に過ごす。そのせいか、午後になって突然目の調子が悪くなり、雑音じゃないが、雑像?が視界に入ってきて見たいところがよく見られなくなってしまう。網膜剥離かなと思って調べようと思ったのだが、ちょうどピントが合うはずのところに変な直線的模様みたいなものが現れて字が読めないのである。主人も出かけていて結構焦ったが、15分くらい目をつむっていたら、なんとか元のようになった。来週、時間があったら眼科に行ってみよう。

2017.10.06 (金)  曇り・雨

 夕方から雨が降ってすっかり寒くなる。
 今日は研究授業で、3年生の『源氏物語』夕顔巻の授業に3人の先生方が見学にいらっしゃる。皆さんとても熱心に見ていただき、生徒の思考を促す発問を工夫すること、発見のある授業を心がけること、そして、例えば古典にように同じ教材を扱う場合でも、教材研究を深めたり発問の順を変えたりして、常に以前の授業からの向上を目指すように努めるべきこと、といった点を共有することができて有益であった。わざわざ授業に来てくださる先生方は、どなたも研究熱心な方ばかりで、こちらも刺激を受けること大である。指導教諭というのは、指導「する」側ではあるのだが、同時に常に熱心な先生方から刺激(=指導)を「受ける」側でもあるわけで、なってそれなりによかったのかも…(笑)。
 ノーベル平和賞、「ICAN」が受賞ということで、なかなかよかったのでは。
ゆり根を植えたら花がついた!)
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2017.10.05 (木)  晴れ・曇り

 昨日もそうだったが、夕方以降、急に冷えてくる印象で、今日は特にそう感じられた。また夏物のジャケットを羽織っているのだが、そろそろ冬物でもイイかなぁ。10864歩。
 ニュースでNHKの女性記者が過労死した件が取り上げられていたが、子を失った親御さんにとっては本当に許しがたいことに違いない。過酷な長時間勤務の結果、幼子2人を残して自ら命を絶った34歳の臨床検査技師男性の記事も掲載されていたが、同じく残されたご家族にとっては許しがたいことだろう。いつになったら、こういう事例がなくなるのだろう…。
 一方、ノーベル文学賞はカズオ・イシグロ氏だそうである。読んだことがあるのは『わたしを離さないで』だけで、騒がれているほどには感動しなかったが、受賞に関しては「まあ、いいんじゃないの」といった感じだろうか。しかし、これでますます村上春樹の目はなくなったような気が…。

2017.10.04 (水)  晴れ・曇り

 中秋の名月。ちょうど家に帰るころ、雲間からキレイに見えていた。9843歩。

2017.10.03 (火)  晴れ・曇り

 2年生は実力テスト2日目。放課後、東大大学院情報学環の学環長、佐倉統先生(日比谷卒業生・進化論など)の進路講演会。日本に一つしかない「学環」の意味の説明や、文系・理系選択を目前にした生徒たちへのメッセージは、とても参考になったし、勇気づけられた諸君も多かったのではないかと思う。
 夜の講義は、来週からの学生主体の演習に備えて、今日は準備休講。10055歩。

2017.10.02 (月)  晴れ・曇り

 避難訓練+始業集会+実力テスト(数学&理科)。
 混迷する政治で何が何だか分からないが、そんな時は内田先生のご意見を聞くのが一番。引用しよう。

巨大変化に目を閉ざす「身内ファースト」 内田樹氏語る (朝日WEB 2017/10/02)

 北朝鮮ミサイル問題で政権の支持率が回復し、野党第1党の民進党が離党ドミノで弱体化しているのを好機と見て、安倍晋三首相は国会解散を決めました。
 ところが、思いがけなく小池百合子・東京都知事の新党が登場し、そこに民進党が合流することになり、いきなり自民党は主導権を奪われてしまった。
 このカオス的状況を歓迎する気分にはなれません。民進党の議員たちは「安保法制反対・改憲反対」を捨て百八十度逆の立場に立たなければ公認されない「踏み絵」を踏まされようとしています。自民党以上に新自由主義的で排外主義的な新政党が「受け皿」として登場しようとしている
 ただし、日本だけの特殊事情ではありません。世界中どこの国でも、仲間うちだけで固まり、仲間うちの利益だけを優先する「身内ファースト」的な政治勢力が大衆的な支持を得つつあります。英国のEU離脱も、トランプ米大統領の登場も、新興右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の進出も、希望の党も同じ文脈の中の出来事だと私は解釈しています。
 けれども、これは現に起きつつある地殻変動的な変化が理解できない無能と不安ゆえの退行的な選択であって、外界の出来事に目を閉じ、耳を塞いで、「変化なんか起きていない」と自分に言い聞かせているに過ぎません。ここでいう「地殻変動的な変化」というのは、国際政治における超覇権国家の衰退や、中東やアフリカで広がっているように国民国家が液状化し、世界がいくつかの「地域帝国」に再編される潮流のことです。
 少子・高齢化による社会の変化はすでに日本を直撃しています。21世紀末には人口は5千万人程度にまで減ると推定されています。産業構造・社会制度の変化への危機感は国民的にはほとんど共有されておらず、政府もまったくの無策で手をつかねている。
 その危機の切迫のうちで安倍政権は森友・加計学園問題に露出したようにネポティズム(縁故主義)にすがりついている。イエスマンだけを登用し、限られた国民資源を仲間うちに優先的に分配している。これは「身内ファースト」という世界的なスケールでの政治的退廃の日本版以外のなにものでもありません
 小池新党も「身内ファースト」であることに変わりはありません。民進党との「合流」プロセスで見られたどたばた騒ぎで明らかなように、小池氏の軍門に下ったのは、政策の一貫性を振り捨てても議席確保を優先させる「自分ファースト」の人たちばかりでした。これまで掲げてきた政策の一貫性や論理性よりも、おのれの「明日の米びつ」を優先的に配慮する政治家たちが、文明史的な転換に対応できる能力があると私は考えません。
 日本はしばらくカオス的状況が続くでしょう。でも、それは世界中どこの国でも程度の差はあれ同じことです。「他の国もひどいことになっている」と言われて心がなごむというものではありませんが。

2017.10.01 (日)  晴れ

 あっという間に10月。秋晴れの爽やかな一日。とはいうものの、昨日の運動会の応援で結構疲れたので、今日は家で用事を済ませたりしながらのんびり過ごす。午後、WOWOWで「怒り」という映画を見る。俳優陣がイイので見てみたが、暗い話で、美しい光線の救いの場面が最後に用意されているのだが、それでもやっぱり救いのない印象かなぁ。
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